白夜月と明星

鹿

第0話 あらすじ・紹介文

 『白夜月びゃくやづき』と『明星あけぼし』。そう呼ばれる二人の男が居ました。彼らはこちらの世界で俗に言う、『男の娘』と『女装男子』でありました。

 昼に出る月を意味指す白夜月。彼は名をシューリム・レノ・アルガザールと言い、愛称をシュリと言います。彼は実のところ、我々と同じ星、地球の日本に生まれた女性でした。その記憶を受け継いだシュリ。彼女はかつて女子高で付き合っていた先輩にされたことを参考に、ある男性を我が物にしようと企みます……。

 明るく輝く星、特に宵の明星と呼ばれる明け方の東の空に煌めく金星を指す明星。彼は名をサルガリア・ユーリスと言い、愛称をガルと言います。彼はシュリに使える唯一の衛兵であり、彼の命を守るために日々剣技を磨いています。この関係は主従の契り、しかも男同士。どれだけ可愛かろうとも彼に恋してはならないと強い心を以ってシュリの誘惑を耐え抜かんと努めます……。

 二つの星が煌めくのは昼、つまりは表側です。彼らは場所を問わず交わり、躱し、それを繰り返して明けの天を彩ります。しかし、夜になれば彼らは互いの顔を目にすることはありません。決して触れてはならない一線というものが、そこには存在します。


 ……さて、ここまでは彼らの事をやんわりと御説明して参りましたが、彼らを取り巻く環境について簡単にご説明して参りましょう。

 文明は地球の1900年代頃のレベルまで進んでいるのですが、そこには魔法の存在が大きくかかわっております。この星の人類は思念によって万象を操作する魔法という事象を感覚的に使っています。また、魔獣と呼ばれる魔法を用いる野獣も存在し、それとの戦いも熾烈を極めています。

 それ故に、人類は大陸各地に城塞都市を置いています。港湾都市アルガザールが、シュリの父が領主を務めるフィーシア王国の一都市であり、二人にとっての故郷であります。この都市は、貿易で栄え、また北方の山岳、南方の河川、西方の森林、東方の海洋と、異なる四方の環境故に発展した数多の商工業が都市を支えております。

 シュリの父、エデリオは、童顔で有名であり、髭を生やして尊厳を演出したりと大変なのですが、市民に愛されています。また、ユーリスはシュリの母、バンデルの連れ子で、実は二人は家族でもあります


 この国での男性同性愛に対する価値観ですが、現代の感覚に非常に近いものがあります。フィーシア王国の国教であるアルバ教においては、生殖以上に人間の感情のうち最も崇高である恋愛を重視するとされており、しかしてほとんどの人が異性愛であるために、何とも言い難い触れにくさが生じているのです。

 しかし、腐女子腐男子は一定数存在し、そっち系の本も多くあります。バンデルもまた腐女子であるために、秘蔵のコレクションをシュリに見せたりします。


 薔薇で造った百合の造花、TS元ネコ男の娘×連れ子女装男子衛兵の疑似百合BL小説!

 『白夜月と明星』!

 最後までお付き合い下さいませ。

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