第15話ワクワクな新魔王

「こ、コホン。で、本題ですが……魔王様が体を綺麗にして欲しいみたいなんです」

「ソンナコトカーヨユウヨーヨユウー」

「待て。余裕って何のことだ?」

「女王スライムさんに、勇者様の汚れを取って貰うんですよ」

「ソウイウコトー」


 何たることだ、私の体が女体スライムに弄ばれるというのか。


 人間の世界で言う、薄い本が厚くなってしまう展開ではないか!


 しかし私は引き下がるどころか、非常に前向きだ。

 あられもない姿を晒してでも、体を隅々まで綺麗にして貰うぞ!


「テコトデ、ハダカニナッテクダサイー」

「いいだろう」

「キャ! な、なんで躊躇なく脱いじゃうんですか!」


 貴様の反応は従来、女子が異性に対して使うものだ。

 イメチェンの時に、貴様の股間にぶら下がってる、お粗末なものも無くしてやればよかったか?


「アタラシイマオウサマーハツイク、サイコウデスネー」

「だろう。私の自慢でもある」

「キャーキャー! 色々と隠して下さいよ!」


 童貞丸出しな反応は止めろ、聞くに耐えん。

 そもそも貴様は娘が2人いる、残念な父親だろうが。

 女体なんぞ、少なくとも二度は隅々まで見ている筈だ。


 まさかと思うが、素人童貞なのか?

 だとすれば尚更黙らせる必要があるな。


「ワタシニーミヲユダネテーキモチヨク、ナッテネー」

「期待するぞ」


 ほほぅ……女王の肉体が絡み付いて、一心同体化してる気分になるな。

 さぁ、これから薄い本が厚くなる展開になるのか……ワクワク。


 ワクワク……。


 ワク……ん?


 ヌルヌルが全身を巡っているだけで、何も気持ち良くはないぞ。

 女王は艶めかしい吐息で、興奮しているみたいだが、どうなっている。


「ハァ……ハァ……イイヨースゴクイイヨー」


 どうやら自分一人で楽しんでいるようだな。

 それに性感帯であろう個所を重点的に狙っているみたいだが、考えが安直すぎる。


 私が淫らに堕ちる女だと思った奴は、馬鹿を通り越した変態だ、出直してこい。


 しかしながらコイツは、役目を真っ当に果たせない、ぬるぬる野郎でしかない。 

 期待していただけあって、非常に残念だ。


「そんなものか」

「ハァ……ハァ……ア、アレ? オカシイヨー?」

「何もおかしくはない。貴様が本当の女体を、理解していないからだ」

「ア、オキャクサマ! トウテンハ、オサワリゲンキンデス!」

「私がこの手で、教え込んでやる」


 身体とは決して、同じものが存在しないものだ。

 だからこそ、一人一人にしかない感部を、その手でじっくり探らなくては意味がない。


 私の場合、数百万通りのパターンを掌握している為、スライムの体なんぞも数秒あれば攻略可能だ。


 さぁ、貴様自体そのものが潤滑液みたいなもんだ、容赦なくいかせて貰う。

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