星降る夜に、魔法少女はおかまになる

@kokotuchandesuyo

第1話:魔法よりも強い、この気持ち

「あたし、魔法少女になりたい!」


ピンク色のフリフリドレスを身に纏い、星型のステッキを握りしめた少女、星宮きらりは、満天の星空を見上げてそう叫んだ。きらりはごく普通の小学5年生。だけど、心の中に秘めた夢は、誰よりも大きかった。それは、魔法少女になって世界を救うこと。そして、もう一つの夢。それは…


「いつか、素敵な王子様みたいな男の子になって、可愛い女の子と恋をするの!」


きらりの心は、魔法少女への憧れと、男の子になりたいという強い気持ちで溢れていた。


ある夜、きらりは流れ星に願いをかける。「どうか、あたしを魔法少女にしてください!そして、男の子にしてください!」


次の朝、きらりは目を覚ますと、自分の体が男の子になっていることに気付く。鏡に映る姿は、紛れもなく男の子。だけど、心はきらりのまま。


「夢が…叶った…?」


戸惑いながらも、きらりは喜びに震えた。魔法少女にはなれなかったけれど、男の子になる夢は叶ったのだ。


その日から、きらりの日常は大きく変わる。学校では、男の子として振る舞わなければいけない。友達との接し方も、今までとは違う。戸惑いながらも、きらりは少しずつ男の子としての生活に慣れていく。


そんな中、きらりは不思議な光を目撃する。光を追いかけると、そこには傷ついた小さな生き物がいた。それは、なんと魔法の妖精だった。


「あなたは…選ばれし者…」


妖精は弱々しい声でそう言うと、きらりに魔法の力を与える。それは、女の子に変身できる力だった。


「これで、あなたは本当の魔法少女になれる…」


妖精の言葉に、きらりは戸惑う。魔法少女になれる喜びと、男の子でいたい気持ち。二つの気持ちが、きらりの心の中でぶつかり合う。


「あたし…どうしたらいいの…?」


星降る夜に、きらりは再び星空を見上げる。魔法少女になる夢、男の子でいたい夢。どちらも、きらりの大切な夢。どちらを選ぶべきか、きらりの心は揺れ動く。


「あたしは…あたしのままでいいのかな…?」


きらりの問いかけに、星空は優しく瞬いた。まるで、きらりの背中を押すように。


第2章へ続く…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る