学校の中の異世界

三愛紫月

第1話

僕には、秘密がある。

いや、僕じゃない。

僕達には、秘密がある。



「キモいってこっち見んなよ」

「ヤバーー。よく来るよな」

「本当に来ないで欲しい。あいつがいるだけで、クラスが陰気臭い」

「臭い、臭い」

「帰れ、帰れ」



僕は、このクラスのゴミだ。

いや、いらない人間。

いや……。



「おはよう。みんな朝から元気だね」

「あーー、王川おうかわ君。おはよう」

「キャー、キャー」



彼は、このクラスの人気者だ。

僕と違って、このクラスだけじゃなく学校の全員が彼を好きだ。

みんな、彼に愛されたがってる。

彼の一番になりたくて仕方ないのだ。

彼の一番は……。


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