天消キャラと語る国防講義〜国防や憲法に関する評論&エッセイ置き場

殉教@公共の不利益

プロローグ 自衛隊と国防のココロエ

自衛隊のオープンキャンプを歩く 序章

 ★ごあいさつ


「やほー。アタシは薬学者の雨宮瑠奈あまみやるな、2111年生まれの15歳だよ。

 見た目通りちんまくてまな板だけど、飛び級済みの社会人でもあるのさ。

 ガチ理系だけど、本コラム集のナビゲーターとツッコミ役を担当するからね、宜しく!」


 ーーげ、カメラ回ってるじゃん。

 俺は作者こと、殉教じゅんきょう@公共の不利益こうきょうのふりえきと申します。メインテーマ「国防」について、憲法や法律を中心に、様々な視座から掘り下げていくので、宜しくお願いします。


「しかし理系のアタシが、文系バリバリのテーマに呼ばれるとはねー。

 人材不足にも程があるぜ。しかも国防って、完全に門外漢の話題じゃんかよお!」


 いやいや瑠奈先輩、以外とそうでも無いっすよ。

 国民国家である以上、国民一人一人が「何らかの形での、国防貢献」する事は、どうしても必要になりますから。


 先輩の開発するお薬だって、国民の生命と経済活動を回すのに役立ちますし。

「病魔から、経済活動を国防している」ともいえるでしょう。

 もっと分かりやすいのが、薬学由来の化学兵器や、生物兵器の開発ですね。

 そちらは「鉄砲の国防」。更に「食物自給の国防」「経済の国防」「文化的侵略に対する国防」など、多岐に渡っています。

 必ずしも、軍事や徴兵だけとは限らないわけで・・・


「ほほお。全ての道は国防に通じるんだね。

 でも、2024年の日本で『国防』のイメージといえば、やっぱ自衛隊じゃないの?」


 まあ、軍隊同士を戦わせる「鉄砲の国防」は、視覚的にも分かりやすいですし。

 国内の犯罪には警察。

 国外からの侵略には自衛隊。

 そうして秩序を保つのが「平和」という状態となるでしょうね。


「でも自衛隊って、憲法で手足を縛られているから『フルスペックの軍隊』ではないんだよね。しかも内閣法制局から『自衛隊は軍隊でも戦力でもない。実力組織だ!』とか言われて、中途半端な地位にある組織なんでしょ?」


 そうなんですよね・・・詳しい事は後で論じますが、自衛隊は見た目の勇ましさとは裏腹に、法的には厳しい地位に追いやられているんですね。

 そんな自衛隊の内実に肉薄するべく。先日、第44普通科連隊の駐屯地まで、取材に行ってきました。


「げ。作者よ、とうとう不法侵入までやらかしたか。悪いことは言わない、さっさと自首したまへよ。」


 いやいや、年に一度行われる「オープンキャンプ」ってやつです。

 一般市民に基地が開放され、様々なイベントが行われる「祭り」の一つですね。

 という事で先輩、9月某日の開催日までタイムスリップするので、一緒に追体験してみましょう。


「ほうほう。オープンキャンプは全国の駐屯地でも行われているようだし、まだ行ったことない方への、参考レポートにもなりそうだねえ。」


 ええ、地元の自衛隊公式HPにある「年間イベント一覧」には、花見や盆踊り、スポーツ大会、ちびっこ大会などもあるようです。市民と自衛隊の接点は、意外とすぐそこにあるのでしょうね。


 では、さっそくワープ装置を起動。さあ一緒に、光の渦に飛び込みますよ!


「ドラ◯エの旅の扉かよ。移動後に酔うのとかヤダなあ・・とおっ!!」


 ★早朝8時20分・駅前


 シュタッ!!

 ・・ふう。そうそう、駅前からの送迎バスに乗れば、交通費は無料なんですよね。

 前日は市中軍事パレードがあったし、土日連続のイベントって事です。

 つーか。先輩はどこに行ったんでしょう?


『おーい、ここだよここ。下を見てくれよお。』


 んげ!な、何ですか先輩。元より140cmもない身長が、30cmくらいに縮んじゃって。

 てか、ぬいぐるみモードになった先輩、結構可愛いですね。(ボソッ)ハグハグしたひ・・


『作者だからって、セクハラは許さねーぞコラ。

 ・・あー多分ね、タイムパラドックスを防ぐための処置じゃないかな。

 アタシは2111年生まれの《未来人》だから、そのままの姿では存在できないみたいだね。

 という事で、とおっ!』


 あわわ、頭に乗らないで下さいよっ!

 あ、でもこのモフモフ感がクセになりそう。

 まあいいや。ちょっと暑いけど、このままバスに乗ろう。


 ーー見張りの自衛官や運転手さんに挨拶して、送迎バスへ。

 退役軍人さんの老人や、赤ちゃん〜小学生も結構目立つなあ。

 ・・よし、席が埋まったので出発。市街地を抜け、20分ほどで山の中へ。


『なんか果樹園ばっかりだねー。この県は桃が特産品だったっけ。

 あとこの地域って、近くに地元民向け観光施設や、温泉地もあるみたいだねー。』


 陸自の駐屯地ですから。市街地よりは、山の中が適地なのでしょうね。

 ・・あ、着いたようですね。降りましょう。

 石造りの道に、無骨な鉄骨のアーチ。工場地帯の入口のようなイメージですね。


『あのテントで、手荷物検査をやってから入場だって。

 あ、招待状持ちの退役軍人さんと家族は、優先的に入れるみたいだね。』


 よし、検査も受けたし行きましょう。

 プチぬいぐるみ先輩を頭にちょこんと乗せた状態で、人の波に従って入場。


『くんくん・・じゅるり。何か美味そうな匂いがするぜ。

 おお、調理車両がずらっと並ぶ姿!これが屋台村ってやつか!

 なー作者くん。朝食抜いてんだし、何か食べに行こうぜー。』


 ここの大通りには、ピザ・カレー・ケバブサンド・ポテト&唐揚げ・クレープ・チュロス・かき氷などの販売車があるようです。あっちは出張お土産屋ですね。


 うーん。まずは閲兵式に行きたいし、トイレの位置も把握しきれていない状態で、飲み食いは出来ないかな。

 つか先輩、その姿ちびぐるみじゃ飲食できないでしょうが!


 俺はゴネる先輩を頭に乗せて出発。

 しかし暑い。山の熱気に蒸されながら、メインイベント会場の第一グラウンドへ向かった・・

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