『クラシック音楽の反逆!』 11
では、シンヤーマが握る、『ムンダーナ』の秘密とはなにか?
それは、もちろん、ムンダーナ王の出自に関することであった。
それが知られたら、ムンダーナ王の地位は脅かされることになるだろう。
しかし、シンヤーマは、ジャヤコガニュアン三世に復讐したいのであり、ムンダーナ王に、怨みはないはずであった。
さて、地下鉄道の存在を知るものは、もはや、誰もいなかったが、ただひとり、そのことを知っているものがいたのである。
シンヤーマである。
地下鉄道は、22世紀に作られたからだ。
当時は、ジャヤコガニュアン王国も、ムンダーナ王国も、この世に存在しなかった。
ムンダーナは、かつての中央アジアにあり、ジャヤコガニュアンは、ヨーロッパにあたる。
地下鉄道は、飛行機よりはるかに早いのである。
最高時速2000キロメートルくらいで走行するから、ジャヤコガニュアンから、ムンダーナまで、5時間もかからないのであった。しかし、現在は、誰も、もはや、使うものがいなかったのである。
いや、知る人さえなかったのである。
さて、真ニホンは、かつての、日本列島にある。
ただし、すんでいる人は、長い時間のなかで、かなり雑然としてしまっていた。
しかし、それなりの文明は維持していたが、超古代のスパルタを模したような軍事社会を造り上げていたのである。また、非常に地球の気温が高くなったため、冬というものは、申し訳程度しかなかったから、もはや、厚着をする必要もなくなっていた。
支配者は、女王姫巫女と呼ばれていた。
もはや、地球上に、22世紀当時の国家は、ひとつも残ってはいないし、巨大核戦争の影響により、人類自体がかなり変質もしていたが、みなが変わっているのだから、さして、おかしいと思うものもいない。
しかし、姫巫女は古代日本の末裔であり、密かに、世界征服を企画していた。
さらに、その美しさは、人類史上最高とも、うたわれていたのである。また、じつは、恐るべき、美声の持ち主でもあった。それは、ビョータンの奥方さまが、逃げ出したくなるほどに素晴らしかったのだ。
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