『クラシック音楽の反逆!』 7
だから、ジャヤコガニュアン三世も、ムンダーナ王も、双方の暗殺と、その勢力の壊滅を、企てていたのである。
つまり、たがいに、兄弟でありながら、戦争を辞さないつもりだったのである!
兄弟どおしや一族間の戦いというものは、歴史的にはまったく珍しくない。
壬申の乱、頼朝・義経の争いは名高いが、遺産相続争いは、普通にある。
王位はひとつしかないが、この場合は、国がふたつあるのだから、争わなくてよさそうなのだが、そうもゆかない。
高い山に隔てられていて、隔絶したような感じだが、隣どおしでもある。
権力者は、まず間違いなく、どちらも欲しくなるものらしい。だから、両方ともが、相手方を皆殺しにするつもりであった。
さて、そこで、互いに使者が訪問するときは、飛行機を利用するのが、当たり前であった。
しかし、ジャヤコガニュアン三世は、飛行機も無類の大嫌いであり、ムンダーナ王は、さらに、自分が移動すること自体が、嫌いである。
互いに行き来したことは、子供時代にしかない。
両親の時代までは、互いに自治権はあったが、ひとつの国だった。
そのさらに昔は、同じ国だったのである。
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