まいるーむまいひーろぉ

やにとろさーもん。

1 . 異 変

多分気づいた時には、コレが始まってからだいぶ経ってた。


所謂ブラック企業で、家の事なんて手につかなくて、目も当てられないほどに散らかってた部屋。


仕事用以外放られた靴、カップラーメンのごみの山だったキッチン、湯に浸かる元気もなくて乾ききった浴槽、投げ捨てられた服…


あげたらキリがない物達が減っていた


靴は整えられ、ごみは捨てられ、暖かい入浴剤の入ったお風呂、棚に揃えられた服。


異変は沢山あった、疲れすぎて気づかなかった。


いつから?誰が?人間?お化け?


疑問は増える一方の中家に帰えり、いい匂いと思いリビングに行けば、ついさっき出来たばかりという風なご飯がそこにいた。


さすがに食べ物はまずくないか?


と脳が危険信号を出してはいるが疲れている、ココ最近まともにご飯も食べなくなっていた私には、抗うすべなどない。


手が吸い込まれるように箸を持ち、食べた。


「ぉいしぃ…」


思わず声が漏れた、ふと自分の好物であるにくじゃががあることに気がついた。赤赤と主張する人参を掴む。


ほんのり甘く柔らかい、暖かい。

実家にいた頃に食べた味がした。


部屋を綺麗にしてくれていたのは、お母さんだったのかもしれない。


昔から少しツンデレ気味なお母さんが、見かねて世話をしてくれてたのかもしれない。


味噌汁もまた母の味がして、安心感で涙が出てしまった。


残りを食べつつお母さんに感謝の連絡を入れた。



その後はお風呂に入り少々昔のことを思いだすも、明日も早いことを思い出しお風呂を出た。


いつの間にか新しくなっていたベッドに潜り眠りにつく。









(ピコンッ)


「家なんて行ってないわよ。」

「疲れてるなら早く寝なさい。」

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