第7話: 魔法盾の完成

魔法剣技の基礎を身につけた俺だが、次に必要なのは防御の技だ。どれほど攻撃が強力でも、防御を疎かにすれば命を落とす。特に、この異世界では魔法や遠距離攻撃が主流の敵も多い。物理的な剣技だけでは防ぎきれない攻撃があることは、過去の戦闘経験からもわかっている。


そこで俺が考えたのが「魔法盾」だ。魔力を使って透明な防御壁を作り出し、敵の攻撃を防ぎながら反撃の機会を伺う技だ。この技が完成すれば、攻守のバランスを保ちながら戦えるはずだ。


「魔法盾を作り出すには、まず魔力をどのように操作するかが鍵だ」


俺は魔力の流れを細かくコントロールし、防御用のエネルギーを一カ所に集中させる方法を模索した。魔力は攻撃に使うだけでなく、こうした防御にも応用できる。だが、魔法盾を安定させるためには、魔力の使い方をさらに精密にする必要があった。


「集中して……魔力を一点に集めるんだ」


俺は剣を地面に突き刺し、両手を前に掲げて魔力を放出し始めた。すると、目の前に透明なエネルギーの壁が薄く現れた。だが、まだ不安定で、ほんの少しの衝撃でも簡単に壊れてしまいそうだ。


「もっと強固な盾を作らなければ……」


俺は再び魔力の集中を試みた。盾を作り出すには、安定した魔力の流れが必要だ。攻撃用の魔力とは違い、防御には持続力と安定性が求められる。魔力を一気に解放するのではなく、ゆっくりと時間をかけてエネルギーを蓄積させる感覚が必要だった。


何度も失敗を繰り返し、やがて俺は魔法盾の安定化に成功した。盾は透明なエネルギーの壁として現れ、外部からの攻撃をしっかりと防ぐ力を持っていた。


「これで、防御は完璧だ」


実際に攻撃を受け止めてみたが、魔法盾は予想以上に強固で、剣や魔法攻撃にも耐えられることを確認できた。俺はこの技をさらに研ぎ澄ませ、戦闘に活かすことを決意した。



第19話: 魔法盾の完成

魔法剣技の完成により、俺の戦闘スタイルは飛躍的に強化された。魔力を剣に込め、斬撃と魔法を組み合わせることで、異世界での戦いにおいて圧倒的な力を発揮できるようになった。だが、戦いは攻撃だけでは勝てない。防御もまた重要だ。強敵や魔法使いとの戦いでは、いかにして敵の攻撃を防ぎ、反撃する隙を作るかが勝敗を左右する。


そこで、次に取り組むべき技は「魔法盾」だ。魔法剣技と同じように、魔力を使って自分を守る技術。それは、攻撃を受け流しつつも防御力を確保するための魔法だ。単なる物理的な盾ではなく、魔力を使って作り出すエネルギーの壁――透明でありながらも非常に強力な防御壁を構築する。


「防御の技術も確立すれば、俺はさらに無敵に近づける」


俺は早速、魔法盾の鍛錬に取りかかることにした。まずは自分の体内に流れる魔力を意識し、それを体の周囲に展開して防御壁を作り出すことが目標だ。魔法剣技の時とは異なり、剣を媒介とせずに魔力を直接コントロールし、周囲にエネルギーを放つ必要がある。これはかなりの集中力と魔力のコントロールが要求される。


「まずは少しずつ、魔力を外に放出していくところからだな」


俺は地面に座り、静かに目を閉じた。自分の体内に流れる魔力を感じ取り、それをゆっくりと外へ押し出すように意識する。魔力は、体の中にあるエネルギー源だが、使い方を誤ると危険だ。しかし、今はその力を防御に集中させることで、盾を作り出すことができるはずだ。


しばらくの間、集中して魔力を外に放出してみたが、最初はうまくいかなかった。魔力が体の外に漏れ出す感覚はあるものの、それが形を持って防御壁となることはなかった。魔力をただ放出するだけでは足りない。魔力を凝縮し、エネルギーとして形作る必要がある。


「エネルギーをただ放出するのではなく、しっかりと固定しなければ」


もう一度、魔力を放出する感覚を取り戻し、今度はそれを自分の周囲に形作るように意識を集中させた。体の周囲に薄い膜のような魔力が形成され始めるのを感じたが、それはまだ弱々しいもので、攻撃を受けた時に耐えられるかどうかは疑わしい。


「もっと力を込めて……」


俺はさらに魔力を集中させ、透明な防御壁を形作ろうと試みた。魔力が体の周囲に集まり、エネルギーが凝縮されていく感覚が伝わってくる。徐々に防御壁が形を成し始めたが、まだ十分な強度はない。


「これは……まだ弱いか」


どうやら、魔力の配分が適切でないらしい。俺は防御壁の強度を高めるために、もっと効率よく魔力を循環させる必要があることに気づいた。攻撃を防ぐためには、エネルギーを一時的に溜め込み、それを強固な形にする必要がある。


そこで、俺は新たな方法を試してみることにした。まずは一度、魔力を体内に引き戻し、次に体の周囲に一定の範囲で循環させる。その後、エネルギーが十分に溜まった時点で、外部に向かって一気に解放し、防御壁として固定させるのだ。


「これなら……!」


再び魔力を体内に引き込み、ゆっくりと体の外に循環させる。体の周囲を魔力が包み込み、そしてそのエネルギーが一定の範囲に凝縮されていく感覚が伝わってくる。そして、一気に力を解放すると、透明な防御壁が俺の周囲を覆った。


「これだ……これなら耐えられるかもしれない」


俺はその防御壁の感覚を確かめるために、訓練用の魔法具で攻撃を試してみることにした。魔法具は、一定の魔力を込めることでエネルギー弾を発射する装置だ。俺は壁の前に立ち、エネルギー弾を放って防御壁に命中させた。


「ドン!」


エネルギー弾が防御壁に当たった瞬間、衝撃音と共にエネルギーが弾き飛ばされた。防御壁は、確かにその衝撃を吸収し、俺へのダメージを完全に防いでいた。これで、ある程度の魔法攻撃には耐えられることが確認できた。


「成功だ……だが、これだけではない」


防御壁が魔法攻撃に耐えられることがわかった俺は、次に物理的な攻撃にも対応できるかどうかを試すことにした。この世界には、強力な物理攻撃を繰り出してくる魔物も多く存在する。防御壁がそれに対応できなければ、本当に強敵と対峙した時に勝ち目がない。


「次は、物理攻撃を試してみよう」


俺は防御壁を再び展開し、今度は訓練用の機械を使って物理的な衝撃を与えてみることにした。訓練用の木製の剣を持ち、壁に向かって力強く振り下ろす。剣が防御壁にぶつかり、その衝撃が伝わる。


「ガキン!」


防御壁はしっかりとその衝撃を受け止めた。音は激しく響いたが、壁はびくともせず、物理的な攻撃にも耐えられることがわかった。これで、魔法と物理の両方の攻撃に対応できる「魔法盾」が完成した。


「これでいい。これなら、どんな攻撃でも耐えられる」


俺は満足感を感じつつも、さらにこの防御技術を発展させる可能性を考え始めた。魔法盾は防御壁としての役割を果たすだけでなく、うまく応用すれば攻撃にも転用できるかもしれない。例えば、敵の攻撃を跳ね返す「反射盾」として使うことができれば、さらに強力な戦術を展開できるだろう。


「もっと実戦で試す必要があるな……」


そう感じた俺は、次なる冒険に向けてこの魔法盾を使いこなす準備を進めることにした。魔法剣技、魔法盾、そして次に完成させるべき「魔力放出」。俺の戦闘スタイルは着実に完成へと近づいている。


こうして、魔法盾が完成した。防御の要として、俺の戦闘における重要な役割を果たすことは間違いない。次なるステップへと進むために、この力を使いこなしていくことが俺の目標だ。


異世界での冒険に向けたひとまずの準備が整った。次に待ち受ける試練に対して、俺は自信を持って挑むことができるだろう。



ーーーーーーーーーーー

【応援のお願い】


いつもありがとうございます!

『面白いかも!』

『続きが読みたい!』

と思われた方は、更新モチベ維持のためにも下の+★を押して、応援していただけると嬉しいです!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る