第13話: 永久氷壁への道

嵐の渓谷で手に入れた雷の力を駆使し、サンダーワイバーンを討った俺は、自分の力をさらに高めるため、新たな素材を求めて旅を続けることを決意した。次の目的地は、「永久氷壁」と呼ばれる、凍てつく冷気に包まれた場所だ。そこには、異世界でも屈指の強力な魔物、氷の魔竜が棲んでいると言われている。


「永久氷壁か…。ここで新たな力を手に入れられれば、俺の戦いの幅がさらに広がるだろう」


永久氷壁は、多くの冒険者が挑んで帰ってこないと噂されるほど危険な場所だ。だが、俺はそこで手に入るという氷の力に強く惹かれていた。強大な氷竜を討てば、俺の戦力はさらに飛躍的に向上するだろう。


旅の準備を整えた俺は、永久氷壁を目指して出発した。道中、冷気が徐々に強まり、気温がどんどん低下していくのを感じた。寒さに対応するため、ミスティアブレードに炎の魔法を宿らせ、体を温めながら進む。だが、それでも身を刺すような寒さが肌に迫り、俺の進行を妨げようとする。


「この程度の寒さで怯むわけにはいかない…氷の魔竜を倒すためには、これ以上の寒さにも耐えなければならないだろう」


永久氷壁に至る道は険しく、途中には魔物たちが次々と現れた。凍りついた森を抜ける頃には、数多くの氷系の魔物が襲いかかってきた。氷狼や氷の精霊など、そのどれもが厄介な敵だったが、ミスティアブレードに込めた炎の力でこれらを次々と倒していった。


「炎の剣で氷系の敵を倒すのは効果的だが、この先に待つ氷竜相手にはもっと強力な対策が必要だろう」


そんなことを考えながら進むうちに、視界に巨大な氷の壁が見えてきた。それが噂に聞く「永久氷壁」だ。空を覆うようにそびえ立つその氷壁は、見上げるだけで圧倒されそうなほど巨大で、表面は不気味に輝く青白い光を放っていた。冷気はさらに強まり、気を緩めれば体が凍りつきそうな寒さだった。


「ここが…永久氷壁か。噂に違わぬ冷気だ」


俺は冷気に対抗するため、剣にさらに強力な炎の魔法を込め、周囲を温めながら進んだ。しかし、永久氷壁に近づくにつれ、その寒さは次元の違うものになっていく。炎の剣でも、完全に寒さを防ぐことはできなかった。


「このまま進むのは危険だな…。氷壁に近づく前に、もっと炎の力を強化するか、別の対策を考えないと」


俺は立ち止まり、氷壁の攻略方法を考えた。ここでただ炎に頼るのではなく、他の魔法や戦術を使って、冷気を打ち消す必要がある。そんな時、俺は一つのアイデアを思いついた。


「そうだ、雷と風の力を使えば、氷竜の冷気を拡散できるかもしれない」


風の魔法で冷気を拡散させ、雷の力でその場に留まるエネルギーをかき乱す。そうすれば、冷気を少しでも打ち消すことができるはずだ。


俺はさっそくミスティアブレードに風と雷の力を込め、実験を始めた。剣から放たれる風と雷が冷気をかき混ぜ、徐々に周囲の寒さが和らいでいく感覚を得た。これなら、永久氷壁を攻略することもできるかもしれない。


「よし、これで進むことができる。氷竜を討つために、ここで力を使い切るわけにはいかないが…慎重に行こう」


俺は風と雷を駆使しながら、再び永久氷壁へと歩みを進めた。壁に近づくと、その圧倒的な存在感が目に迫ってくる。氷竜がいるという噂も、まったく誇張ではないと感じられるほどだ。まるで壁そのものが生きているかのように、冷気が波打っている。


突然、氷壁の一部が崩れ落ちた。目の前に広がる巨大な氷の裂け目から、冷たい風が吹き荒れる。俺は反射的に剣を構えた。何かが来る。氷の奥から強大な魔物の気配が感じられた。


「ついに来たか…。この冷気、ただの魔物ではない。氷の魔竜がそこにいる…!」


俺は緊張感を全身に漲らせ、氷竜との対峙に備えた。



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転生剣士 〜錬金術での魔法剣技無双〜 りおりお @kgo1974

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