【AI怪談 四十四話目〈おかん〉 弥太郎】
何処からか冷気が入り込んでいる。
男はその場所を探した。
戸口、窓、換気扇、床……外の冷気が流れ込んできそうな場所はいくら探しても見つからない。
男はスマホの温度センサーを使って冷気の強い場所を探し始める。
調べてわかった。
どうやら天井から冷気が流れ込んでいる。
男が目視で隙間を探していると、天井と壁の境目、廻り縁に細い隙間が有った。
男は「酷い欠陥工事だな」と思いながら、コーキング材を買いに一度家を出た。
帰って来たら家の中が更に寒く成っていた。
口元がガクガク震え、悪寒がした。
寒さで風邪を引いたと思い、暖房を強くするが、一向に暖かく成らない。
寧ろどんどん寒く成り、更に悪寒が酷くなる。
とりあえず、このままでは不味いと思い、隙間を埋めようと天井に顔を近づけた。
隙間に目をやると、そこに信じられない物が有った。
口だ。
人間の唇らしきものが、天井と壁の境目に着いている。
その口から冷気が吐かれているのだ。
それを見た男の寒気が倍増した。
そのまま倒れ、翌日凍死するまで男は悪寒でガクガク震えていた。
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