【AI怪談 十一話目〈古池〉 未彩】

地元の人が『玉取り池』と呼んでるその古い池には、奇妙な伝説が伝わっています。


その池で夕刻に釣りをしていると、頭に皿を乗せた童子がやって来て「魚を一匹わけてけろ」と、言ってくるらしいんです。


その童子に魚をあげると、喜んで帰るらしいのですが、魚をあげないと「じゃあ、代わりに『たま』をわけてけろ」と、言ってくるそうです。


ここで言う『たま』は魂の事で、冗談でも「あげる」と言うと、魂を抜かれてしまいますので気を付けて下さい。


では、どうすれば良いのでしょう。


この場合は「わしは『あたま』しか持っておらん。これは一つしかないので、わけれんのじゃ」と、言って下さい。


そうすれば童子は諦めて帰るそうです。


けど中には悪賢い童子も居て、「じゃあ、この『たま』は二つ有るから一つ貰うね」と言って、目玉をくり抜いてしまう事もあるそうです。


お気をつけ下さい。

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