【AI怪談 十五話目〈ぴょんぴょん〉 一葉】

一羽のうさぎが血を吸われて死んでいました。


オーブンで焼いたベーコンのようにカリカリに干からび、まるで生ゴミのように捨てられています。


次の日、一匹のヤギが血を吸われて死んでいました。


これも干からびてゴミのように捨てられていました。


次の日は、一匹のウシが血を吸われて死んでいました。


同じく干からびてゴミのように捨てられています。


全ては村人達が寝静まった夜中に起こった出来事です。


村人達は誰の仕業か探る為に話し合い、村のアチラコチラにビデオカメラを設置することにしました。


ビデオを設置した次の日、一羽の鶏が死んでいました。


村人達は、ちょうど鶏小屋に向けたビデオが有ったので、総出で確認します。


すると真夜中に何かが鶏小屋に近づく様子が映し出されていました。


その姿は、ヤギのような身体に、牛のような角、そしてウサギのような後ろ足をしていて、ちゃんとピョンピョン飛び跳ねていたのです。


その生物は、鶏小屋に入ってから数分後に出てきましたが、何と今度は背中に鶏の翼が生えた姿に変化していました。


村人の一人が「もし人間の生き血を吸ったら、あの生物はどんな姿に成るのだろう」と言いました。


他の村人達は、この発言にただただ黙るしかありません。


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