番外編 最強と最弱 白の新星

「 」

新星とアウロラ

この世界に突如として発現した、「力」ギフトと呼ばれる異能力は人々に幸福と不幸を与えた。


約80年程前、歴史上から突如として現れ猛威を奮った十二人の者たちがいた。


その十二人の者こそ、後に”原点”と呼ばれる地球上で初めての力の使い手である。


そして、現在。


八十年という長き年月が過ぎた現在では、「力」は持っていて当たり前のものとなっていた。


そんな中、ごく稀に無能力者と言われる「力」が使えない者たちがいる。


この世界には、二つの勢力が拮抗している


一つは、力を己の欲の為に振るうもの達


名を|「影者」<大罪者>と呼ぶ


またそれに対抗するための人々の集まりでありであり、力を世のため人のために使おうと者を皆はこう呼ぶ


 「正義」へルト


ブーブーブーブー


ブーブーブーブー


俺の朝は、スマホのアラームから始まった。


いつも通りスマホを手に取りアラームを止めて、洗面所に行って顔を洗った。


そしたら、昨日買ってあった食パンを食べて歯磨きをして服を着替え俺は今日もへルトとして家を出た。


俺のパトロールするこの街は他の街と比べるとかなり平和なので本音を言えばパトロールする意味はないと思っている


そう、この時の俺はまるで危機感がなかった...


「おはようございます」

その声を聞いて向くと、何もいなかった

いや、ただ単に子供で見えなかっただけだ


「おはようございます、今日も元気だねいい事だ」

するとこの少年は満面の笑顔で俺の方を見てくる


この、少年とは長い付き合いだ


俺が、初めてこの街に来て話した人でかなり慕われている

この少年の笑顔は、曇り一つない顔で俺には少し眩しすぎる


「ねーね、おじさんはなんでへルトになったの?」

おじさんて、僕まだ最近成人したばかりだぞ


へルトになった理由か...

あまり思い出せないな


「ねーね、おじさん聞いてる?」


「あ、すまん少し考えことをして』


ドーン!!


という音が俺の言葉を遮った


「何が、起きている!!」


「おじさん、あれ!!!」

俺は、少年が指差す方を見ると...


街の建物が炎の包まれながら倒壊していった...


『フっ、見つけたぞ』

俺は、声を頼りに上を見た

すると、そこには宙に浮いてる男の姿があった


『見つけたぞ、新星』

新星、俺の”二つ名だ”


「少年、早く避難を」


『させる、わけないだろ』

そう言って、雷の刃が空から降り注ぐ


「赤の糸、”雲の網”」

赤の糸、普通の糸の数倍と威力と硬さを誇る


バリン、バリン!!


「なんだと、俺の糸が一回防ぐだけでこんなにぼろぼろに...」

「貴様、何者だ!!」


『我が名は、大罪者元幹部 対価のアウロラ』

対価のアウロラ、噂によればNo.1に君臨するあの方と戦い生き残るほどの実力者だったはず


今の、俺じゃとても勝てる相手じゃない


『自己紹介も済んだことだ、貴様には消えてもらうぞ新星』


「お前如きに、やられるとでも?俺も舐められたモンだぜ」


『弱い奴ほど、虚勢を大きく作り良く吠える』


「虚勢?上等!!正義の味方が虚勢張らなくて何をしろと!!俺たちは、人を守る。ただ、それだけのために魂を捧げてる!!貴様如き犯罪者に負けるわけないんだよ!!」


『そうか、なら死ね。代償 ”街の2割の建物” 召喚 ケルベロス』

なんだ、建物が消えていく...

これが、こいつの力”代償”

しかも、なんだこの大きさの犬は全身炎に包まれて俺の糸と相性わるすぎるだろ


「赤の糸、”ナインTheソード”」

赤の糸を集約し、ソードの形に形成する!!


さらに、青の糸の力速さで足に青の糸を巻き速さを上げる!


「俊足はやぶさの刃」

ボーーーーーン!!

ケルベロスはなすすべなく地に伏せた


『さすがは、新星。強いな、その強さに敬意を表し我自ら戦ってやろう』


なんだ、この寒気は..足が震える


『いくぞ』

その言葉を聞いた瞬間俺は、反応できない速度で殴られふきとばされた


こいつ、強すぎるだろ


だめだ、勝てねぇ...


もう、一発貰えば死ぬ


『そせん、新参者かやはりその程度か』


ここで、死ぬのか...


『さて、せめてもの敬意で苦しみなく殺してやろう』


ぺち


「?」

誰かが石を投げている

一体誰が...

あれは


「少年、何してるんだ早く逃げなさい」

 

「嫌だね、おじさん。このままじゃおじさんが死んじゃう。僕も、おじさんみたいに人を守りたいんだ。

だから、おじさんも諦めないで」


「少年..」

君は、本当に輝いてるな


『茶番だな、おいガキまずは貴様から殺してやろう』


青の糸は、早いが力がない。逆に赤の糸は力はあるが速がない。


ならば、二つの糸を混ぜる。だが、それだけだと俺の身体能力ではあいつに勝てない


だから、糸を俺の体内にいれて戦う


「思い出したよ、少年。俺は、僕は君のように心優しい人々を悪から守るためにへルトを目指した!!」


「少年は、殺させないぞ。アウロラ」


『この間合いなら、我の方が早くあのガキを殺れる』


『お前の負けだ、新星!!』


我の力”代償”は、街ひとつ分の無機物を代償にすることができる


つまり、我は無機物があるかぎりいくらでも早く


『ぐはっ、なにが起きた』


なんだ、我は今殴られたのか?


速すぎる、おかしいだろ


だが、おそらく時間制限があるだろう


何かしらのデバフはあるはず、じゃなきゃこの速さは説明できない


「少年、ありがとう。もう大丈夫だよ、もう二度と君には危機なんてものは訪れない。そのために僕がいる!!」


『ほざけ!!一撃当てたからと粋がるな!!』


『”代償” この街の前建物を代償に我の身体能力を上げろ!!』


その言葉が発せられると共に、街の建物が消え去りアウロラの体がまがまがしいオーラに覆われていた


しゅっ、ドーーーーン!!


俺が殴り、アウロラがかわし俺に殴りかかる

それを、ギリギリでかわしカウンターをお見舞いする

だが、アウロラは耐えながら俺に蹴りをお見まいした

そんな、攻防を激しなく俺たちは続けた


『貴様は、強い。この我よりもだから俺の最後の攻撃で貴様を葬ってやろう!!』

『”代償” 我の全て!!』

その言葉と共に、巨大な隕石が現れた

『最後に、貴様の名を聞いておこう』


「白衣幻燈、またの名を新星!!」


『幻燈か、いい名だ』


『この隕石と共に、その名も貴様と同様に葬ってやろう!!』


『”ギガンデット・ウォール!!』


「”九蛇”!!』

そう言って、僕は紫いろの蛇を顕現させ体を多い渾身の拳を隕石に向けて殴った


そのまま、アウロラの心臓を貫いた


その後のことは、よく覚えていない


ただ、あの日得たものは俺の”魂”に刻まれた


これは、一人の男が白の新星と呼ばれる物語


そして、運命は巡り新たな新星の誕生を支えるのであった


〜完〜

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