眠れない夜、眠らせない夜

紬寧々

眠れない

「んっちゅっれろ」


 舌を絡ませ、互いの愛を確かめ合う。


 粘度の高い水音が口内から鼓膜を揺らし、私を昂らせる。


 興奮がおさまらず、理性を忘れた頭は更なる快感を求める。


「んえ……」


 唇から君が離れたと同時に、私の舌は物寂しそうに口外へ放り出された。


 今、自分がどんな顔をしているのか想像はしたくない。


 多分想像すると自分の手で君が見えなくなってしまうから……。


 だから、何も考えれなくするよう君の首に腕をまわし、もう一度。


「……」


 君の応えは沈黙で、それでもいいと身を任せ、また、頭を白くする……。


 今夜もきっと、

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