ペイシェント   「ある行為を受ける人」

藍しば

第1話 ある行為 暴力

ある行為にはいろいろな意味に捉えられたり、想像を掻き立てられ妄想したりもする。

そして、いい事も不運な事も

人に訪れるときには

第三者からの行為によって

発生することが往々にしてある。


私の場合、このある行為の中で

人生を右往左往させるのが 

“暴力” である。

“暴力”の種類も身体的、精神的とあり、

インターネットで検索する

【「暴力」は、身体に対する暴力又はこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動を指します。 】

と、明記されている。


その暴力について、

取り巻く?

発生しやすい環境にて

仕事をしているが

私は特に武闘派とかではないが、

体格が大きくあるため、

軽めの“暴力”を、うけても痛みはないだろう、と、思われて“暴力”を受ける。


私の業務は福祉施設勤務で世の中でいう、

“介護”というものである。

その業務内容は大まかに説明すると介護が必要な人達へ、

介助が必要、または必要以上の日常動作のお世話をする。


業務の1日を大まかに説明すると

利用者様に、まるで幼稚園のようなお遊戯の様な体操やラジオ体操の様な集団体操を

してもらったり、

利用者様の排泄の介助をさせてもらったり、

利用者様のご飯やおやつを用意し、

ご飯やおやつを食べてもらい、

お風呂に入ってもらったりもらわなかったり、で、なんとなく、1日を終える仕事である。


この短い行の説明では、

“暴力”がどこになりを潜めているのか?

さえもわからない。


福祉施設に勤務されている人の1日では、

“暴力”なんてないわ。

と、いう人もいれば、

“暴力”なんて日常的にあるものよ。

なんて人もいる。


私の知人よれば、“暴力”はする人によって

される人のうけとり方がかわるよ。

とのこと。

例えば、

近所に住む人が飼っている小型犬でよく吠えて、よく脱走して噛んできたりする。

その時に飼い主に注意すると謝罪され、痛みはあるものの、大きな怪我がない時は

噛まれた日は、

その1日の星座占いの順位が

10番前後ぐらいの落胆である程度。

心の中も、言葉が通じないし、仕方ない。

と、諦めモードである。


それを

ある日、利用者様が入浴したくなくて、

暴れて、入浴介助しようとする人の体に

噛んできた時に、痛みはあるが、

こちらの言葉がわかっているのか?

他に方法がないのか?

人間という形をした獣レベルなのか?

で、“暴力”か “第三者行為による災害”なのか?と判断基準が、かわる。

動物から噛まれたら、それは“暴力”とは

感じないのかもとの知人からの

有り難い助言。


そして、その“暴力”を受けている状況として

叩く人&叩かれる人のみの密室での、

シチェーションなのか?

または、

大勢の前でまるで見世物小屋の一つのお披露目のように叩かれる人がいても、

複数の人が観客化していて誰も止めることなく、『痛い』『やめて下さい』といっても

笑いがおこる環境なのか?

または、

少数の人の前で、日常的な挨拶のハイタッチをするぐらいの感じで、痛みを堪え、複数回叩き終わるのを待てば、叩かれている人が我慢さえすれば良い環境なのか?

と、さまざまな環境もまた、“暴力”として捉えてしまう要因であると考える。


福祉施設の中で

利用者様へ“暴力”行為をすると虐待となり、

テレビでも取り上げられたりする。

だが、利用者様や患者様から、

“暴力”行為を受けても、

職員の殺傷の度合いが

死亡や重症レベルでない限り、

大きな事件としては扱われにくい。

そして、職員に“暴力”による痛みや恐怖が

あって、

施設長や先輩に報告しても、

『この人が5回ぐらい叩いても、そんなに痛いですか?』

『あなたの態度が相手の機嫌を損ねて、そのことで暴力をふるわれたって、ことはないですか?』と、

対応される職場も多い。


“暴力”には、

福祉施設に勤務される人々の賛否両論があると思う。


ただ、自分は大丈夫でも、自分の大切な人が

された時に『仕方ないよね。我慢しようね。』

なんて、言えるのか?を知りたい。

私ならおそらく、大切な人の話をきいて、

怒るよりも、泣いてしまうと思う。

悔しい気持ちで。


利用者様からの暴力だけでなく、

利用者様やその家族からの

暴力に準ずる罵詈雑言があったり、

先輩社員からの暴力的行為や恫喝もあり、

同僚からの無視等の暴力に準ずる行為もあったりする。

また、仕事からはなれても

家族や近所や趣味の場でも、

少なからず

“暴力”は見かけたり、体験したりする。


日本の令和的な

平和はどこにやら。


私がうけた、

ある行為の中の“暴力”事件を

発表したいと思う。

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