エンドレスイフ

@konnitimanhidora

Prologue

俺は卑怯者である。

 中学一年の七月七日。

その日、俺のたった一回の誤った選択で家庭は崩壊し、友達もいなくなった。

 それが初めての後悔であり、自分がいかに馬鹿で愚かで、そして浅はかに生きていたかを実感した日。

一度口から出た言葉はもう元には戻らない。人生はやり直すことができない。その言葉を身に染みて実感した日。

 それくらいの簡単な事すら理解していなかったあの日の自分を、考えなしに喋ってしまった自分を、ただひたすらに呪い、そしてその後悔と自責の念に苛まれながら生きている。

 だから俺はもう間違わないように、そもそも「もし」なんて言葉を繰り返さないように、そして後悔をしないように、物事の中心に立つことから逃げた。


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