事故物件

天川裕司

事故物件

タイトル:事故物件


「どうぞ〜♪上がって上がって♪」

男「お邪魔しまぁす」


男「うわぁ、結構良い部屋だね」

「フフ♪うん。駅近だし、コンビニとかも近いし、まぁ言うことないかな」

男「へぇ〜、俺もこんなアパートに引っ越したいなぁ」

「フフ♪」


(リビング)


「あ、紅茶で良い?それかコーヒーかな?」

男「ん、どっちでもいいよ♪」

「じゃあ〜紅茶にしよっか♪昨日、おいしいの買ってきたんだ」


(談笑)


「でさー、バイト先のその子、結局やめちゃってさぁ〜」

男「へぇ〜wそりゃ災難だったね」

「まぁね。ん、どうしたの?紅茶飲まないの?さっきからずっとテーブルに置いたっきりで」

男「ん、ああ、ありがと」(紅茶を飲む)


「……」

男「…うん、うまいねこれ」

「…あ、そう?ふふん♪ちょっと奮発して買っちゃったんだ」

男「そうなのwオレ実は紅茶好きだからありがたいよ」

「そうなんだ。……」


男「……(ニヤリ)待ってるんだね?」

「……え?な、何を?」

その日、彼女がナンパして引っ掛けてきた男は

すっくと立ち上がり、冷蔵庫の方へ。


「え?ちょっと何してるの?」

冷蔵庫をおもむろに開ける男。

「ちょ、ちょっと!人ん家の冷蔵庫を勝手に…」


男「おーおー、よく冷えてるなぁ、誰か知らないけど。…男、って事は確かだよね」


「……フフ…あははwwバレちゃったかぁ。あなたももうすぐそうなるのよ」

男「…さっきの紅茶?」


「フフ」

男「睡眠薬か」


男「…でも、ちょっと不思議に思ってんだろ今?」

「……」

男「なんでこいつ、強力な睡眠薬飲んだのに全然眠くならないんだろって…」

「……」(表情が少し変わる)


男「お前、根っからの殺人鬼なんだよなぁ。こいつも同じようにしてヤったんだろ?」


男「なんで薬が俺に効かないのか、考えないの?」

「…………」


男「俺さ、この部屋に前に住んでたんだ。で、俺がこの部屋で消えてから、この部屋、事故物件になったんだよ…。それ知ってるの、このアパートの大家だけだけどね」


「…………………え?」

男「俺も同じような目にあってさーこいつと。まぁ殺されるまではいかなかったけど…そう言う女に対して恨みがあるんだなぁ…」


動画はこちら(^^♪

https://www.youtube.com/watch?v=A4u0QIidJNc

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事故物件 天川裕司 @tenkawayuji

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