企画参加用
@aisin1180701
第1話 ある夜の渡り鳥達の話
私が勝手に想像した話。
これは人間世界では一瞬の話。
しかし渡り鳥達の世界では何日も続く冬の日の鍋パーティー。
「皆〜久々だね〜!」
「シギねぇ久々!元気してた?」
「ヒワじゃん!会いたかったよ〜」
シギと呼ばれた渡り鳥は明るい笑みでそう返す。
「ヒワは何処行ってたの?」
「今回はアメリカ〜凄かったよ!街が発展してて」
渡り鳥はそれぞれ別々の場所へ旅をする。
こうして皆が集まることは滅多にないのだ。
「ツバメとアトリは今回も鍋の準備?」
「そうだよ!ツバメねぇとアトリにぃのお鍋おいしいから好きなんだよね!」
ツバメが作る鍋は世界1だとヒワはそう言った。
「ツバメちゃんの鍋久々だから楽しみだね〜」
そんな話をしていると続々と渡り鳥達が集まってきていた。
「お!つまみもあるじゃん」
「チドリにぃ!皆揃ってからだよ!」
ヒワはチドリに向かってそう言った。
全員揃ってから楽しむ。
これは渡り鳥達の中では暗黙のルールでもあった。
「そう怒るな。酒持ってきたんだからな」
「むっ!私は未成年!」
「鳥の世界じゃあんま関係ない・・・・」
ヒワが言ったことに対してツグミはそうボソッと呟いた。
「ツグミそこ気にしない笑」
「カモ・・・・だって・・・・」
「そこ聞こえてるからっ!」
ヒワはツグミとカモの方を見てそう言った。
「そうかっかしなさんな。お菓子あげるから」
「わぁ!ありがとうホトトねぇ」
ヒワはホトトギスからもらったお菓子を見てはしゃいでいる。まだまだ子供だと思うツグミとカモであった。
そんなこんなで暫く時間が経ち・・・・・・。
「あっ・・・もうみんな来てるじゃん」
「ほんとだ・・・・おまたせ皆。鍋出来たよ」
「「「「ツバメ(ねぇ)!!アトリ(にぃ)!!」」」」
鍋の暖かい香りが広がったところで・・・・・。
そして渡り鳥達の宴会・・・・という名の鍋パーティーが始まった。
「ハムッ・・・・わはぁおいしぃ〜」
「気に入ってくれてよかった」
ヒワは鍋に入っていた具材を一口食べるとそう言葉を残した。
「やっぱり2人の鍋は天下一品だよね」
「褒めてくれて嬉しい」
「ンムッ・・・ってチドリにぃたちまたやってるよ」
ヒワはそう言うと指をさした。
指をさした方向には酒を仰ぐチドリ達の姿があった。
「まだまだいけるだろ?」
「んぐっ・・・そっちこそ」
「はっやるねぇ」
「あんまり舐めないでよね」
チドリとハトは渡り鳥達の中でも酒豪な方。
毎年毎年こうして争っている。
「あらら酔わなきゃいいけど」
「いつものことだ気にすんなよ」
「でもツバメとアトリ介抱するの苦労してるじゃん」
「確かに何時も愚痴ってるよね・・・・」
その言葉を聞いた瞬間2人はため息を吐いてチドリとカモの方へ向かって行った。
「やっぱり介抱嫌なんじゃん笑」
「毎年毎年みてるとわかっちゃうよね笑」
チドリとカモは酔が回ると大変なことになるとわかっていた。
「去年なんて大変だったじゃん」
「確かにガラス窓割るなんて思いもしなかったよ」
「あの時は大変だったね〜」
『2人共!もう飲むのやめなよ!』
『介抱すんの俺らなんだからな!』
『いーだろー?別に』
『そうだそうだ!』
『『去年窓ガラス割ったの誰だよ!』』
『・・・・・・』
『無言になるなぁ!』
『去年の大惨事覚えてるんじゃん!』
『ハト・・・・そろそろやめたほうがいいと思う』
『ハイ・・・・スミマセン・・・・』
『チドリもだよ』
『ハイ・・・・』
叱られている二人を見ながらそんなことに思いふける。
「毎年毎年続くといいなぁ」
「そーね・・・・」
これがあるから渡り鳥たちは頑張れる。
日々を生き続けることができる。
大好きな仲間に会うために。
これは人間界では一瞬のこと。
しかし渡り鳥達の世界では何日も続く鍋のパーティー。
そんな一夜の物語である。
企画参加用 @aisin1180701
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