私の事を貴方は好きだから、私を見ても貴方は無視するのね?
神石水亞宮類
第1話 私の事を貴方は好きだから、私を見ても貴方は無視するのね?
“私の事を貴方は好きだから、私を見ても貴方は無視するのね?”
職場で私の事を見ると? 直ぐに無視する男性社員が居たわ。
最初は私も、彼に嫌われているんだと想っていた!
でもそうじゃないと気づいたの。
私が上司に呼ばれて、上司にセクハラを受けていた時、彼が助けてくれた。
この上司は、たまに私以外の女子社員にもセクハラをするの。
“ヤラシイ言葉や体を触ってこようとするのよ。”
勿論! 私達、女性社員は抵抗もするのだけど、、、?
上司の言う事を聞かないと、上に言うと脅迫までされる始末!
そんな時に現れた、救世主が彼だったの。”
『吾郷さん、これは! “セクハラですよ。”』
『・・・お、小川、まあ勿論だが、見なかった事にしてくれるよな?』
『“社長にこの事は、ちゃんと伝えます!”』
『おい、そんな事言っていいのか? 出世したいんだろう?』
『“それは、自分の実力でなります、ご心配なく!”』
『・・・い、言いたければ、言えばいい! でも? どうなっても
知らないからな!』
『どうなるって言うんですか? セクハラは犯罪ですよ!』
『もういい! 気に喰わん奴だ!』
『・・・・・・』
まさか? 彼が私を助けてくれるなんて想ってもみなかったわ。
それから彼は、“私と社長室に行き、詳しい事を社長に説明して
上司のセクハラの事を全部話したわ。”
そしたら次の日、“上司は会社をクビになり退職する事になった。”
私以外の女性社員も、これで上司からのセクハラがなくなると思い、
女性社員皆、ホッとしていたの。
それもこれも、“全部、彼のおかげよ!”
私は彼にお礼を言いに行こうとすると? 彼はまた私を無視して行って
しまった。
“一体? これはなんなん?”
・・・でも、どうしても私は彼に一言、お礼を言いたくて強引に彼を捕まえる。
『どうして逃げるの?』
『・・・べ、別に逃げてはないけど、』
『“どうしても一言! お礼が言いたくて、本当にありがとう!”』
『・・・そ、そんなのいいのに、』
『私だけじゃないから、女性社員みんな、あの上司には手を焼いてたの!』
『俺もずっと我慢してたから、』
『・・・我慢?』
『船頭さんが、あの男にセクハラされてるのが耐えられなかったんだ!』
『・・・お、小川くん?』
『“好きな女性も守れないで、仕事に打ち込める訳ないでしょ!”』
『・・・そ、そんな風に私の事を見ててくれたの?』
『それに俺もあの上司は気に喰わなかったし、セクハラだけじゃなくて、
パワハラもしてたんだ!』
『そ、そうだね、あの上司に他の男性社員もパワハラされてるの、私も
何度か見た事あるし......。』
『絶対に許せないよ!』
『うん。』
『だから、良かった! これでもう船頭さんがあの上司にセクハラを受け
なくてすむと思うと俺もホッとしてる。』
『ありがとう!』
『“今はそういう時代じゃない! もっと自由に仕事が出来る職場に
なればいいなって、俺も想うから。”』
『うん、そうだね!』
『・・・なんか、今日は船頭さんと話せて良かった。』
『私も! 小川くんの事、誤解してたから! 今日は話せて良かったよ。』
『じゃあ、また明日!』
『うん、明日ね!』
・・・少しだけだど、“彼の心の中がほんの少し見えた気がしたわ!”
本当は正義感が強くて優しいし、少し照れ屋で無口な彼。
私は気が付けば、彼を好きになりはじめてるみたい!
最初は、私は彼に完全に嫌われていると思い込んでいた。
でも? 何時しか、私の事を貴方は好きだから、私を見ても貴方は無視する
のかなって思うようになる!
それが今は、“確信に変わっていったの!”
だから、今度は私が貴方を好きになってもいいかな?
そう、私はそう想っているの!
私の事を貴方は好きだから、私を見ても貴方は無視するのね? 神石水亞宮類 @kamiisimizu-aguru
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