第7話 性

均「なあ賢治、マーラタイって店知ってっか?」

賢「おお、芸能人が行きつけのパクチーで有名な渋谷のタイ料理だろ。」

 今日も均也のゲームに付き合う賢治。


均「賢治が知ってんなら完璧だべ!週末デートに行こうと思ってさ」

賢「誰誘うんだ?同級生の麗子ならやめとけ。」

 ドキッとした。均也も同じくドキッとしたようだ。流石賢治である。


均「なんで!?なんで麗子と思ったん??」

賢「てめぇのSNSコメント、見たくなくても見えんだよ。」

均「もしだよ、もしその相手が麗子だとしてだよ。なんでやめた方がええん?」

賢「あいつはね、性悪なんだよ。」

均「性格知ってんの!?」

賢「昔ちょっとな。」

均「ふ~ん、まあ、違う子なんだけど…」

賢「それならいいけどな…」

 賢治も私と同じく、均也の先行き暗い恋物語を見たくなかったのだろう。


均「そだ!用事思い出したから抜けるわ!また明日な♪」

賢「おう、俺も会議資料に追われてるから仕事するか。」

 ゲームを切ったあと、予約を忘れていた均也は、店に電話をかける。

予約が取れないよう私は祈った。


 残念なことにキャンセル直後で取れてしまったようだ。

しかし最大の関門、麗子を誘ってOKが出るかだ。

決められた日時で、冴えない均也からの誘いである。

早速SNS麗子の投稿にいいねを押し、DM(ダイレクトメール)にメッセージを送る。


 麗子は月末前の金欠であり、丁度ひまであった。

こんなところで、均也の要らないツキ男が発揮されてしまった。。

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