第5話 均也
業務時間中はよく起こされる。プログラム言語についてだ。均也はプログラム言語をほぼ覚えていない。AIチャットが出てきてから脳のメモリーが機能しなくなったかのようだ。基本のプログラムでさえ質問される。
まあ、私としては頼られるのに嫌な気はしない。
均也は手が遅いので花型ゲームの担当を外され(後輩に仕事を奪われ)今はパズルゲームの運営を主に手掛けている。
均「エイタ、フワッとでてくるプログラムどんなやった?」
いつも通りフワッとした質問である。
エ(画像表示ですか、ファーストビュー画面の表示ですか?)
均「そう!開きたて表示!」
プログラム言語は複雑なものでも、今のAIにとってお手のもの。均也はそれをコピーペーストしていく。
AIチャットを業務に使用するのは当たり前の時代なのだが、均也はそれを隠しながら使用している。どうやらAIチャットを使用するのがカッコ悪いと思っているらしい。
均也の会社はスマホゲームで当てて以来かなりの利益を上げていて、少数精鋭の企業だ。
均也は初期からの社員で社長に可愛がられており、課長である。ただし、この課は均也と部下の2人こっきり。部下が優秀な点と、同僚が手を貸してくれるのでやっていけている。
均也は浅はかでバカだが、何より他人が気にかけてくれる。
「可愛がられる」という人間スキルが凄いと感心する。
何人もの人間を見てきたが、目が離せない、放っておけない、魅力的な人間なのである。
人間目線での話だが。
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