恋と真実
関ケ原 しらす
第1話 席替え
1月30日
1年D組で最後の席替えが始まった。
ちなみに、純恋の席は窓側の2列目の1番後ろから2番目だ。
程よく授業がサボれる位置で、純恋は嬉しそうに、席を移動させた。
そして、位置を確認すると席に座った。
「純恋と席離れたんだけど」いかにも、やる気のない声を出し純恋の机に頬杖を着いたのは、純恋の同い年義兄の
着崩した制服に、耳と唇と舌にピアス。黒く輝くネックレス。
彼は見た目通り、不真面目だ。
授業は大体、眠っているか何処かへサボりに行く。
クールであまり表情を変えることもない。
クールで不真面目だからか、女子からは密かな人気を集めているが、本人は面倒くさそうにしている。
「純恋と席離れたら、俺寂しいじゃん」柊馬はそんな事を表情も変えずに言うので、純恋はふふっと笑った。
「柊馬兄は、みんなに好かれるからいいじゃん」純恋の言葉に納得いかないのか、柊馬は「めんどくさい。それに、純恋の隣の奴、男バスの
純恋は少し笑い「そんな事言わないの。ほら、早く席につきなよ」と柊馬の肩に手を乗せた。
柊馬はめんどくさそうに、席に戻って行った。
◇◇◇◇
二限目。
一限目の社会を終えて、純恋は一息つきつつ、数学のプリントを解いていた。
すると「純恋〜」と隣から声が聞こえ、純恋は驚きつつ、横を向いた。
純恋を呼んだ相手は、柊馬が警戒していた、男バスの
純恋は驚きを隠せずに「どうしたの?」と聞いた。
賢人は人懐っこい笑顔で「さっきの時間の時、純恋の教科書紛れ込んでたみたい」と教科書を純恋の前に差し出した。
「あ、ありがとう」純恋は教科書を受け取った。
賢人は明るい笑みを浮かべると「そう言えば、純恋と話した事無かったよな。柊馬とは、よく話すけど」と話を続けた。
純恋は少し笑い「柊馬兄はどう?」と聞いた。
賢人は声を落とし「実力は確かだけど、めっちゃヤベェやつだよな。あんま、表情変えないし」と答えた。
純恋は否定出来ずに、ふふっと笑った。
「同感だよ。家には、姉と兄がいるけど、表情出さないの柊馬だけだもん」「へ〜。純恋って末っ子なんだ。俺も末っ子だよ。22の兄1人だけど」「あ、私の兄も22。」偶然の出来事に純恋と賢人は笑いあった。
そして、もう少し会話を楽しむ事にした。
◇◇◇◇
しばらく、会話をしていると「2人共いつの間に仲良くなったの?」と柊馬が純恋と賢人を見下ろした。
「さっき。めっちゃ気が合うよな」賢人は純恋に人懐っこい笑みを浮かべた。
「うん。吉田君面白いよね」純恋はすっかり、警戒心が解けた笑みを浮かべていた。
そんな純恋を柊馬は表情を変えずに見つめた。
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