豊島物語
@KARAAGEKING
第一章 黎明
「おーい康太、いくぞ」という声でハッとした。俺の名前は、「山田 康太(やまだ こうた)」交番勤務の警察官だ。さっき俺に声をかけてきたのは、先輩警察官の「奥村 美波(おくむら みなみ)」先輩だ。どうやら事件が起こったらしい。急いで現場に向かった。
現場に着くと、ふらふら歩きながら、叫んでいる人がいた。声をかけてみると「うるせえ!」と言い暴れ出した。しょうがなく抑えると、甘い匂いがした。しばらく抑えていると、応援が来て、署に連れていかれた。
交番に帰って調書を書きながら美波先輩としゃべっていた。「さっきの人何だったすかね。変な甘い匂いがしたし、ただの酔っ払いには見えませんでしたし」というと先輩はこう答えた。
「happinessと言う薬を使ったんだよ、たぶん」。初めて聞いたことだったので先輩に聞いた。そしたら先輩は、丁寧に教えてくれた。その薬を使うと、甘い匂いがすることや幸せな気持ちになることや副作用で精神障害を引き起こすことを。そしてこの町で流行りだしたことを。
なんで美波先輩が、そんなに詳しく知っているのか、気になり、聞いてみると「世の中には、知らなくてもいいことがあるんだよ」と言われてしまった。似たような事件が何件か起きた。事件が起きるたび美波先輩の顔がどんどん厳しくなっていた。そしてある日、美波先輩は働き過ぎで倒れてしまった。
次の日、お見舞いに行った。病室に向かうとそこにいたのは、悔しそうな顔をしている美波先輩だった。美波先輩はいつも通りのふりをしながら「お見舞いありがとう」と言ってきた。我慢ができなくなり遂に聞いてしまった。
「美波先輩倒れるまで何をしていたんですか。そして何を隠しているんですか。」そういうと、美波先輩は、重々しく口を開いた。
「happinessについて調べていた。」
なんで倒れるまで調べていたのか聞くと、美波先輩はあまり気が進まないようだが教えてくれた。
「私の親友が本庁でこの薬の事について調べていた。そして調べている途中で何者かに襲われて、意識不明の重体になった。復讐しようとしているわけではない。ただ犯人は許せない」と。そうこうしていると交番から連絡があった。
通報があったが人が足りないから来てほしいと。すぐさま病室をあとにし、現場に向かった。現場に着くと、男が奇声を挙げながらナイフを振り回わしていた。近くに人がいないが危険だと思った。しかし、現場に今いるのは自分だけだった。応援が来るまでは少し時間がかかるので、来るまで野放しにできないと思い、怖いが、一人で無力化した。その後応援が来て署まで連れて行ってくれた。
ふらふらになりながら交番に帰ると所長から、happinessに対する対策本部が置かれることになったと、人員の応援要請があったということを伝えられた。そして、その応援要請に俺が行くことになったということも伝えられた。俺は、絶対にこの事件を解決しようと思った。
次の日、捜査が始まった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます