第27話「21Gの魂は60Rと並ぶ12時間である」



魂の眠る地、それこそ地球である。

これをオレオール、和略すると、木炭である。

なぜ、人は死して燃えては、青き惑星になったか、

それは地球が知っている、

いいやアダムが知っている。

あなたさえ、凍てつく太陽に見覚えはあるだろう。

誰もが、海になり、誰もが、その深海で、闇を見ては、青く昇る。

これが彼、XSONの進化論である。


魂こそ、21g。


この意をとって、海と読めるか。

人の元素は21g。

これぞ、真理である。


「先生、どこに行くんですか」

「きっと遠いところさ、」

「それでも、教えてください」

「そうだね、時間があれば、いいのだが」

「時間ならあります」

「そうだね、時間は存在しているんだね」

「当たり前です、時間は消えません」

「それこそ奢りだよ、時間こそ、最大の不在を訴えている」

「時間が不在?」

「宇宙にはね、光の届かない場所がある、」

「それは一体?」

「そうだね、時間外目録を知らないのか、まだ豪の至りとは言えんね」

「私も本は好きです、しかし、読み取れない事象もあります」

「言える口だね、しかし、真実に到達できる人間ほど、無闇に過ごしたものだろうね、君はそれでいい」

「そうですか、なんだか、褒められたようです」

「相変わらず、おだてられれば、せんなきことを忘れる、幸せな、やつめ」

「だって私は健在ですからね」

「そうだね、だとすれば、私は不覚を取ったな」

「もういいので、時間外目録のこと教えてください」

「君は、例えば、時間にならないものと言ったらなんだと思う」

「んー、時間にならないものですか、」

「繰り返す口か、応用してくれ」

「はいはい、そうやって、考えてる時も、チャチャ入れてくれてありがとうございます」

「全く、達者なやつだ、それこそ時を要さない、あっぱれなやつだとも言えるね」

「いえ、せんせ、私は経験則に基づいて、言葉を発しています、十分、ここまで時を要しています」

「また、それか、ならば、赤子に経験を積ませたのは、誰だ?」

「そんなの、神とかですか?」

「相変わらず、規格外のことを言うね、どうに行ったことを言いたまえ」

「では、お言葉を返しますが、赤子は、自ら、生きたいと願い、環境に順応したのです、つまり、本能こそ、教鞭です」

「いいじゃないか、本能こそが人を作っている、実にいい、では本能とは?」

「本能は魂です、人の価値です」

「君は21gと聞いて何を思う」

「それは赤ちゃんのDNA、元素密度のことですよね」

「そうか、面白い、ではDNAが因果であり、人の間に21Gの因果が流れているんだね」

「そうですね、私だって、魂の価値が変わるとは思っていません、DNAとは増えも減りもしない、既存データですから」

「そうだね、元本といってもいいね、ならば22gでは何ができると思う?」

「そんなの、デザインチルドレン、通称、幾何学人間ドロイドですよね」

「そうだね、DNAの複合には、DNA自体をサンプリングする必要がある、そして、模したDNAは全て、既存データから1gだけ重くなるんだ、つまり、駄作だよ」

「なぜ、22gがいけないのですか、倫理的な問題ですか?」

「君は元素1gをなんだと思っているんだ、笑えるね」

「元素が1gとは、知ってますからね、一円玉と同じ重さってことですよね」

「そうだが、それが1gをグラムだと思ってるからだろ」

「そうですが、違うのですか?」

「魂に重みはないぞ?」

「あ、確かに」

「ならばわかるか?」

「gとはオルゴンのことですか?」

「なぜそう思った、それこそ時間外目録ではないかね?」

「まさか時間の重荷をgというのですか」

「GーSHOCK。これって知ってるか?」

「確か時計のことですよね、時計のラウンドタイム、つまり1R=60の6でGですよね?」

「そうだ、立派になったね、白瀬、君こそ次なるデザインチルドレンを作れるのではないかね?」

「何故ですか、だってまだgが時間の重荷とわかっただけです」

「では1Rを1Gとして、君の21gを計算してみろ」

「21時間でできたものってことですか?」

「いい線言ってるじゃないか、つまり因果の工程が21時間だ、それが人間、人間は21時間で出来るんだよ」

「では、1200年前とは、半数ですから、世界はすでに、使命の中枢まで来たと?」

「また話が飛ぶね、ひとまず、君は、因果による工程について言及するんだ、それからだな」

「因果が空間であるなら、、あーいやー、なんだっけ〜、」

「ま、白瀬、期待している。」

「はい、とくと見といてくださいよ」

「言い寄るやつだな、全く」

「はーい、そーですよー」

「前向きな姿勢だけは褒めてやる、しかしへり下りなく言ってのけないと、事実無根の、嘲笑に変わるぞ」

「わかりました、では、励んで参ります」

「その粋だ」

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