第23話「by白瀬」



「白瀬、時の狭間についてどう思う?」

「なんですか、今は北海道に行こうってことでとりあえず進みましょうよ」

「そうだな、これこそまさに狭間であるな、」

「あ〜道のりまでの過程の事ですか」

「そうだ、時に白瀬、今は日が出ているが、それは朝だからかね?」

「いえ、日は昼でも上りますし、なんせ色合いにそこまで尺度がないので、朝かどうかわかりませんね」

「そうか、しかしトンネルは長いね」

「またまた、トンネルなんてないじゃないですか」

「君は過程と言っていたよね?、それは言わば暗黙だよ」

「なるほど、それでここには日が差してるなんて言ったんですね」

「まだ理解が甘い、日とは、日照時間帯以外もさすぞ、つまり、ね。ここはトンネルだ」

「またとんちをきかしているのですね、日がなくとも日は上りますよ」

「では、それを仮定して、未来と過去には日があった、つまり未来は地球外にあったのか?」

「また、飛躍しすぎです、太陽が時間を作ってるわけないじゃないですか」

「でもトンネルでは日がわからないと言ったよね?」

「そうですが、確かに明るみの中で、時間が進むそれは、そう言ってしまったのですが・・・」

「そうだね、実はね、時間は過程には無いんだよ、あるのはその瞬間にある、この日長の感覚だけだ」

「では、目を瞑れば、時間は消えるのですか?」

「そうだね、意識とは光であり、光を消せば、時間は消える、これは事実、夢であり、または、暗黙の舞台裏でもある」

「まさか先生は、目を瞑って移動すれば、時間は経たないなんて言うわけではありませんよね」

「おーい作家〜〜〜」

「え?センセ?急に何を」


なんだね、我が作中の落とし子よ。

君らは想像という暗闇で生まれた、君らは紛れもなく永遠の情報意識だよ。


「白瀬、わかったね?」

「まさか、先生は、本当に、ここが本の中、いいえ、情報の意識、いいえ、人の意識に潜む、想像物であると?」

「そうだ、私たちは想像だよ、しかし、人もまた、神の作中、だからね、言いたい、ここを出て作家になろう」

「まさか、そんなことができるなんて」

「私たちはね、いつだって、概念を越えることができる、しかしそれは、気づかねばいけない、第3の眼、スピンクスの瞳孔に」

「しかし、それでは、ここにある、瞬間が消えてしまうのでは、」

「死とは、最大の盲点でる、クレベリーの言葉だったかな?、しかし彼はいった、死という危惧につけられた枷は、死でしか外せない」

「まさか死ぬことが、夢から脱する方法だと?」

「呆れたね、白瀬、そんな訳ない、だろ。」

「では、生きながらにしてスピンクスになれると?」

「私たちはね、とんでもない、ハッタリを見てるんだよ」

「それとは?」

「考えてもみろ、死が終わりだと言ったのは誰だ?いいや思い込ませたのは?」

「それは、思想です、それに死という事象が、再起不能になる理を見てるからです」

「そうだね、ならば、死とは、言葉にできる、それはつまり、死もまた、発展的、打ち明けがあるからだ」

「死して見えるもの、それが、スピンクスだと?」

「いいや、フロストレインだね」

「三途の都だと?」

「そうだね、白瀬、もし君は生きてることに疑問を持っているなら、死ぬといい、しかしそれは夢であって、はったりであって、また夢から覚めるだけだ」

「では、死さえ夢の一部、そして、死こそ、次のトリビアだと?」

「いいかね、もっと整理してくれ、死こそ、過程だよ。」

「ではトンネルであり、日は登ると?」

「よく言えたね、白瀬、死してなお日は昇る、これは我らの未来だ、だから太陽に行かないか?」

「太陽に行く?そんなどうやって、」

「太陽はいつだって、日をくれる、それはね、光だ、温かみだ、そして、時間だ、」

「先生って、いつしか、天に昇って、しまうのですか」

「そうだね、でもそれも、また未来の一部になること、そしてその未来には君もこれる、それが太陽、フロストレインに勝る、サマーライトだ」

「ねぇ先生、あなたは、もし、死んでしまったら、太陽になると思ってるんですか?」

「死の通りを三途の川、そして過程フロストレインを超えて、その雨は、天にのぼる、そしてそこにも太陽はある、サマーライトはあるんだ」

「ね、せんせ、あなたは生きてますよね?光じゃ無いですよね?」

「私はね、すまない、白瀬、太陽なんだ」

「あなたは、死んでいるのですか?」

「そうだ、白瀬、あの日を覚えているか、」

「あの日って、もしかして、」

「そうだ、僕らが好きを知るために別れた日だ、」

「でもあれは、ただの別れで終わりではなかったはずです」

「決別のルートマイザー、君が書いたんだったね、白瀬」

「はい、しかしあれは、」

「君はね、白瀬、あの日から、トンネルにいる、そしてここも部屋だよ、君のね」

「何を言って、ここは、北海道の道中ですよね」

「そうか、やはり君は、過程を省いて、生きてるのか」

「先生、まさか、あなたは、本当に、私が一人で描いてると、私の妄想だと言ってるんですか」

「そうだね、しかし光の波長は心に届く、それがせめてもの私だ、どうかここで、私を殺してくれ」

「なぜですか、全くわかりません、」

「言ったろ白瀬、君は、私を忘れて生きねばいけないんだ、私が死んだ過程を君は飛ばしているんだよ、」

「まさか、何を言って、これは現実です、あなただって目の前に、。。。。」

「な、白瀬、いつしか、光になる、誰もが光になって、鼓動になる。、それはね、ただ悲しむだけのものではないよ、言ってしまえばね、心は人の太陽だ、だからね、君の心に私はいる、でもね、それに気づいたら、見送って受け止めてくれ、私はもういない、いないんだ、光になってしまったんだ、」

「嘘だ、ありえない、あなたが光なわけ無い、だって、だって、こんなにも見えているのに、こんなにも、心が痛むのに、」

「な、白瀬、君はね、ずっと暗闇にいる、それもトンネルの過程という中で、ずっと何も見ずに、夢を見ているんだ」

「そんな、現実です、これは現実ですよ。変なこと言わないでくださいよ」

「な、白瀬、もし、私が消えたら、どうする?」

「その時は、書きます、あなたの作品を書きます」

「そうだね、それが君だったね、世界はね、そうして、誰かが心を継いでいる、これはね、立派なリレーなんだ、命のね」

「まさか、もう、嫌です、だって、もう、これは、私と先生の作品で、え?あ、。そんな」

「そうだね、白瀬、もう、私は消えている、君は立派な助手で、いつだって読んでくれては、意見をくれた、心をくれた、だからね、言いたいんだ、私はもう、休んでもいいかな」

「ダメです、まだ私の隣で、いつだって、とっぴな話を聞かせてくれるって、それが先生と私で、そこに終わりなんて永遠に来ないんです」

「そうだね、まさにそれが世界だ、僕らのいたね、でも、もう。終わったんだよ、白瀬」

「そんなのって、ありませんよ、そんなのって、理解できるわけ無いじゃ無いですか」

「それでも、まだ光になってはいけないよ、白瀬、」

「わかってます、だって一緒に生きてる、生きてますよね」

「そうだね、私は君の鼓動になってる、でもそれも、今日までだ。君はこれから、他の誰かを愛して、誰かの元でまた、生に励んでほしい、それ君の心を誰かの鼓動にするためだ、だからね、もう目覚めてほしい、私という架空の夢からわね」

「嫌です、先生が、全てです、あなたが私の全てです、誰も何も知らない、だからあなたが全てです、私の全てです」

「ねぇ白瀬、フロストレインに祝杯を、さよなら」

「あ、そうか、、、、なんだ、せんせ、あなたは、やっぱり、はい。はい。。。」

君たちは何故、此処にいるか、その鼓動に誰が居るか。

命に自分に震えているなら、どうか、鼓動になってくれ、私の鼓動になってくれ。

by白瀬。

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