引力と猫の魔法使い 【リメイク版】

sawateru

第一章 引力魔法と科学室の魔法使い

プロローグ

 このご時世、大切なのは距離感だと思う。


 家族や他人との距離。

 趣味や仕事、勉強に対しての距離。

 それらを間違えば失敗やトラブルの原因になる。


 六年前の俺もそうだった。

 あの時から、誰にも関わらずに生きて来た。

 ありとあらゆる物事から距離を拡げて来た。

 そのおかげで全てが上手く行く様になったんだ。


 俺は平穏な日常を過ごせるだけでいい。

 それ以上は望んでいない。

 なのに、どうしてこうなった?

 アイツが現れてから全てが狂い出した。

 

 水鞠みずまりコトリ。

 信じられない話だが、彼女は普通の人間では無い。


 正真正銘の「魔法使い」だ。

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