スキルは強さじゃなくて使い方
masame
第1話混沌の幕開け
ある日それは突然現れた。
大きな洞窟それも世界中に。
人々はその大きな洞窟を人々はダンジョンと名付けた。
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「はぁ、このゲームもこれで3週目が終わっちゃった。もう隠し要素もすべて探し出したしなぁ。どうしよう、うーん次のゲームでも買いに行くか。」
俺は重い腰を上げゲームを買いに出かけることにした。
「まぶしっ。外に出たのは何日ぶりだ?もう夏が終わって季節的には秋か、でも10月なのにこれは熱すぎだろ。着てくる服間違えたか?」
俺は引きこもりで不登校の高校生だ。
学校に行くのがめんどくさくなり家の中でずっとゲームをしている。
両親には「学校に行け!」とか「勉強しなさい」と言われるがそんなの知ったことじゃない。
町中を歩きもう少しで目的のゲーム屋に着く直前、ゴゴゴゴゴという巨大な音とともに地震が発生した。
「まじかこの地震は結構でかいぞ」
大きな音とともに地面がどんどん割れていく。
人々が悲鳴を上げながら逃げている。
俺も走って逃げようとしたがその時にはすでに足元の地面が割れ、その裂け目に落ちていった。
「おい、マジかよ!うわあああああああああああああああ」
今まで経験したことのないスピードで自分の体が落下していった。
数秒後ドスッっという鈍い音とともに地面に激突した。
とてつもない高さから落ちた割にはあまり痛みはなかった。
「くそっ、いってー。ここは何処だ?地震のせいで地面の割れ目に落ちたのはわかるが上を見ても天井がある。一体俺は何処に来たんだ?」
普通落ちてきたら上には穴があるはずだが不思議なことに俺たちが落ちてきたであろう穴は見当たらなかった。
あたりを見回すと俺と同じように地上から落ちてきたであろう人が数十人はいる。
俺たちがいるのはドーム状の部屋で薄暗い。部屋というよりは洞窟というべきか。
壁には松明が等間隔で置かれており奥につながっているであろう通路が一か所ある。
携帯を取り出して場所を確認しようとしたが県外と表示されていた。
「わかってはいたけど県外か。まぁこんな洞窟の中には電波なんて届かないだろうけどな。」
一緒に落ちてきていた人たちもスマホを確認しはじめ場所を把握できないことに気づいたのかパニックになっていた。
パニックがどんどん広がっていき大騒ぎしていると部屋の奥の通路からドスン、ドスンと地面が揺れるほど大きな足音が聞こえてきた。
俺は落ち着いて周りを観察していたおかげですぐに物音に気付き早めに物陰に隠れることができたが周りの人たちはまだ気づく様子はない。
俺は物陰からじっと通路のほうを監視していると信じられないものが移りこんできた。
「おい、あれなんだよ。あんなのゲームとかアニメとかでしか見たことないぞ。」
その通路の奥から浮かび上がってきたシルエットはどう考えても人間のものではなかった。
シルエットが見え始めた時ようやく周りの人たちも異変に気付き騒ぎ始めた。
謎の生物の全貌が見えた時にはもう手遅れでパニックで騒ぎ立てていた人たちのほうに向かってその謎の生物が突進していった。
体長は4メートルを超えており、肌の色は赤色をしていた。
目は緑色で鋭い目をしている。
鋭い牙が二本はえており、手には人の体より数倍大きくて太い棒が握られていた。
「ウをオオオオオオオオオオオオォォ」
という雄たけびをあげこん棒を振り上げると人々の群れに向かって振り下ろした。
結果は言うまでもないだろう血しぶきが上がり、各所から悲鳴が上がった。
そして怪物は次々と悲鳴が上がった場所に向かって攻撃を仕掛けていった。
「な、なんなんだよこれ。夢、だよな。こんなの現実であるわけがない」
俺は指で思いっきり頬をつねったがそこには痛みが走るだけで他には何も変わりはなかった。
「う、嘘だろこんなことあるわけないだろ。こんなのどうすればいいんだ。それにあの人たちを殺しまわっているバケモノは一体なんだ!」
すると突然目の前に透明なウィンドウが現れた。
・オーガ Lv50
巨体な体と赤い肌、牙が2本見えているのが特徴。
その体に見合わず俊敏な動きをする。
ダンジョン上層で出てくるモンスターの中で最強。
「お、おい。な、なんだこれ。この透明な板?触ろうとしても触れない。そこに見えてるのに実態がないなんてどうなってるんだ?それにこれってあのバケモノの情報だなのか?本当にゲームみたいだな。」
そんなこんなで岩陰から覗いているとオーガと呼ばれるモンスターが広場にいた人たちを殺しつくして満足したのか奥の通路に向かって歩いて行った。
「くそ、あのバケモノは一体何なんだ!広場にいた人が一瞬で全員殺されてしまった。こんな状況で本当にこのおかしな場所から外に出られるのか?よくわからない透明な板にはダンジョンだとか、モンスターだとかそのレベルまで表示されてたし.............本当にここは俺たちがいた世界なのか?」
深呼吸をして自分の落ち着きを取り戻してから俺は、怪物がもう戻ってこなそうなことを確認し、俺は広場の中心に向かって生存者がいないか確認をしに行った。
あまり大きな音を立ててあの怪物を呼び戻さないように気を付けながら俺は周囲に呼びかけた。
「おーい、誰か生きてるか?聞こえてたら返事をしてくれ!」
音は反響するだけで周りからは返事は聞こえてこなかった。
俺は広場に転がっている死体を確認しながら生存者を探した。
「うわっ、血の匂いがひどいな。スプラッター系のゲームや映画見てなかったらこの状況だけで気絶しそうだな。しかし人が目の前で死ぬとさすがにくるものがあるな。いったん生存者はいなそうだし、情報を整理するか。」
広場の中心から目をそらし、俺はまたモンスターが来ても平気なように岩陰に隠れた。
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