過去に妹が犯罪をして、俺は中卒になった。そして妹は反省しないで

少し復活したエアコン

第1話

 妹が犯罪で捕まった。だが未成年なので逮捕になることはなかった。


 そのせいで俺は高校から入学の取り消しにされてしまった。


 そのまま中卒となってしまった。


 「・・・」


そして、妹は高校生になった。


 俺はバイトに開けてくれる毎日だった。


____________


その日、妹が家に友達を呼ぶから出ていってと言われてしまった。

  

 連続勤務で睡眠だけしたいのに・・・


「はやく!出ていけよ!!ニート!!クソアニキ」


さらに誰のせいで中卒になって・・・しかも家のその妹のせいで出来た借金を返す為に頑張っているのに・・・


 「・・・なぁ、春」


「早く出て行ってよ」


「・・・俺、そんなにダメなお兄ちゃんだったかな」


「・・・はぁ?急に何?」


「俺さぁ、兄として頑張ったと思うんだよ・・・春が捕まって、お父さんとお母さんは怒ってたけど、俺は当時の春の友達がヤバいやつ多かったから仕方ないと思って怒らなかったし」


「そ、それは、おに・・・アンタの言う通り私が巻き込まれたからよ!!あといいから」


「一応、俺その友達と一緒に居ない方がいいって注意したよね・・・俺会うたびに馬鹿にされてたし」


「そうだけど!でも仕方なかったし」


「でも、好きな人が居るからって一転ばりだったよね」


「・・・もういいじゃん!!そのことは!!なんなの!!今更」


春は泣かせてしまった。でも俺もせめて今日くらい


「・・・あとさぁ、小さい頃からずっと俺のこと嫌い、キモいとか死ねとか・・・こうやって出ていけとか・・・よく言うけど、俺だって傷つくよ」


「そ、それは・・・」


「どうして、嫌いなのか聞いても教えてくれないし」


「そんなの、私はい・・・と言うかなんの?さっきからもう!!友達来るって言ってるんじゃん」


「・・・そうだね。ごめん・・・」


 やっぱり俺なんて居ない方が良いみたいだ。


「あっ、まっ」


何か、言っていた気がするけど、

どうせいつもの暴言だろうし・・・


___________


妹視点


どうして・・・どうして私はまた正直言えないんだろう。


 「・・・」


 あの事件を起こしてしまったあとから、親や友達からみんなから嫌われてしまったけど、お兄ちゃんだけは味方をしてくれた。


 ずっと嫌いで暴言ばかりの私を・・・


 

 そして、そんな私のためにお兄ちゃんは隠れて親に土下座して高校に連れて行って欲しいとお願いしてくれた。自分は行けなくて辛いから、そんな思いをさせたくないと・・・その原因が私なのに


 そんな・・・そんな私のお兄ちゃん・・・



 もう、今のお兄ちゃんへの思いは昔とは別で真逆だ・・・本当は、この思いを直ぐに打ち明けたいくらい。


 でも、過去の私の態度と、事件からまだ責められてない・・・罪悪感と贖罪の気持ちが、あの態度をとってしまう。


 「・・・まって、お兄ちゃん」


扉が閉まってしまった。・・・初めて打ち明けてくれた、お兄ちゃんの思い・・・この時をずっと待って、素直に責められる覚悟はしていたのに・・・

 結局、怖くなってあんな態度を取ってしまった。


 「見たことがない・・・あんな、態度」


 心が締め付けれる。


 今からでも、追いかけないと大変なことに、取り返しの付かないことになるのは分かっている。


 だけど、足が怖くて動けない・・・


______


そして、お兄ちゃんは家に帰って来なくなった。

 

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