第24話 古代の遺跡
遺跡へ向かう途中、玲二たちはその場所に近づくにつれて、空気が徐々に重くなっていくのを感じた。空には黒い雲が立ち込め、辺り一面は薄暗い雰囲気に包まれていた。
「この感じ……ただならぬ気配がするわね」
エリザが周囲を見回しながらつぶやく。彼女は剣を手にし、いつでも戦闘に入れるように準備していた。セリーヌもまた、魔法の杖を片手に持ち、警戒を怠らなかった。
「この遺跡、ただの廃墟じゃない。何かがここに封じられている感じがする……強大な魔力が漂っているわ」
セリーヌは額に手をやりながら、魔力を感じ取ろうと集中していた。玲二はそれを聞き、険しい表情で頷いた。
「間違いないな。この遺跡には、何かが眠っている。ただ、その力を手に入れるためには、俺たちも相当の覚悟が必要だ」
玲二は自らを奮い立たせ、遺跡の入り口へと歩みを進めた。入口には古代の文字が刻まれており、その文字からは冷たい風が吹き出しているように感じられた。
「これが……ヴァレシア遺跡か」
玲二は静かに呟き、周囲を警戒しながら遺跡の中へと一歩踏み入れた。
ヴァレシア遺跡の内部は、薄暗くひんやりとした空気が漂っていた。遺跡の壁には、無数の古代の彫刻が施されており、それらが描くのはかつての戦いと、真の魔王の封印に至る経緯のようだった。
「見て……この彫刻。おそらく、真の魔王が封じられた時のものだわ」
セリーヌが指さした先には、大きな魔物の姿が描かれていた。魔物は暴れまわり、周囲を破壊している姿が描かれており、その圧倒的な力が伝わってくるようだった。
「これが……真の魔王か」
玲二はその彫刻をじっと見つめた。その魔物は、今にも復活しそうなほど生々しい彫刻だった。彼の拳は自然と力が入り、決意がさらに強まっていく。
「この遺跡のどこかに、魔王を封じるための術式があるはずだ。急ごう」
エリザが玲二に呼びかけ、三人はさらに奥へと進んだ。進むにつれて、遺跡の内部はますます不気味さを増し、魔力の気配が濃厚になっていった。
「この空気……まるで、封印された何かが目覚めかけているみたいだ」
セリーヌはそう言いながら、さらに慎重に進んだ。
遺跡の奥へ進む途中、玲二たちは突然、足元が揺れるのを感じた。次の瞬間、遺跡の壁が動き出し、無数の石柱が飛び出してきた。
「罠だ! 気をつけろ!」
玲二が叫ぶと同時に、三人は飛び交う石柱を避けながら必死に進んでいった。遺跡全体が揺れ、石柱が次々と襲いかかる。
「この遺跡、簡単に奥までたどり着けるわけじゃないってことか……!」
エリザは石柱をかわしながら、剣でいくつかの柱を叩き壊した。セリーヌも魔法を使い、飛んでくる石柱を次々と粉砕していく。
「ここで立ち止まるわけにはいかない! 進むんだ!」
玲二は仲間たちを鼓舞し、罠をかいくぐりながら遺跡の最深部へと向かっていった。
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