第10話 新たな旅立ち
玲二とエリザが最初の試練を乗り越えてから数週間が経過した。二人は幾つかの村や都市を巡りながら、さらに多くの脅威と戦ってきた。玲二の力は日を追うごとに成長し、エリザもそのたびに彼への信頼を深めていった。
ある日、二人は大きな都市、グラディアへと到着した。この都市は、周囲の村々を統治する重要な拠点であり、玲二とエリザが次なる目的を探すために立ち寄った場所だった。街は賑やかで、商人や旅人が行き交い、活気に満ち溢れていた。
「ここがグラディアか。大きな街だな」
玲二は街の入り口で足を止め、広がる市場や城壁の壮大さに感嘆した。現実世界で見たことのある大都市とはまた違った、異世界ならではの荘厳さを感じた。
「ここには多くの冒険者や騎士が集まっている。私たちにとっても新たな情報や仲間が得られるかもしれないわ」
エリザは微笑みながらそう言い、玲二を誘った。二人は市場を巡り、物資を補給しながら、周囲の人々から情報を集めることにした。玲二の目に映るのは、様々な種類の武器や防具、珍しい食べ物や装飾品――すべてが異世界ならではの魅力に満ちていた。
「なあ、エリザ。この街で俺たちの次の目的は何だ?」
玲二がエリザに尋ねると、彼女は少し考え込んだ。
「実は、この街で一つの噂を耳にしていたの。最近、近くの遺跡で異常な魔力の反応が確認されているというのよ。その魔力が何かはまだわかっていないけれど、放っておけば周囲の村々に危険が及ぶかもしれないわ」
「遺跡か……何か重要なものが隠されているのかもしれないな」
玲二は腕を組んで考えた。この遺跡の噂が事実であれば、再び大きな脅威に直面する可能性がある。しかし、彼は同時にその危険を乗り越えることで、さらに強くなれるという期待感を抱いていた。
「エリザ、俺たちがその遺跡に行ってみるべきだな」
「そうね。だけど、今回は強力な敵が待ち構えている可能性が高い。私たち二人だけでは少し不安があるわ」
エリザは少し考え込んだ様子でそう答えた。確かに、これまで二人で戦ってきたが、遺跡には何が潜んでいるかは未知数だ。そこで、玲二は提案した。
「この街で新たな仲間を探してみるのはどうだ? 強力な冒険者がいれば、一緒に遺跡に挑むことができるだろう」
エリザはその提案に頷いた。
「そうね、それがいいかもしれない。街のギルドに行って、誰か協力してくれる冒険者を探しましょう」
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