Xアカウント「タケシ君の家族」についての調査3
2、「タケシ君の家族」のポスト(投稿)内容Bについて―1
便宜的に「タケシ君の家族」によるポスト(投稿)をA、Bと分類分けして言及しているが、これは1,2であっても同じことだ。だが、この調査報告を1,2とナンバーをふって書き進めているので、同じ記号を使うことの煩わしさからアルファベットにしただけのことなのである。
さて、ここで述べていくポスト(投稿)内容Bであるが、筆者は「タケシ君の家族」がこのアカウントを開設した目的は、このBをポスト(投稿)したかったからではないかと考える。それはこのBが執拗にポスト(投稿)され続けているからだ。
このポスト(投稿)は一枚のポスターのようなものと一緒にいくつかのハッシュタグやコメントが付される、という形式が続いている。ポスターはいつも同じものだ。ここでは残念ながら実物の写真を添付することができないので、以下に言葉でその内容を説明することにしよう。
上から順にポスターを構成する文言、写真。括弧の中は解説。
・この人 探しています (背景が灰色に塗りつぶされている。見出しのように、他の文字より大きめサイズ。「人」と「探」の間に全角スペースが入る。)
・男性の顔写真、横並びに三枚。(左右の二枚は同サイズ。真中はやや小さめ。これも、先述のうなだれた女性の写真(ポスト(投稿)A)と同じように、色調加工されているのか色合いは全体的に青ざめていて、不健康な人のように見える。男性は30代半ばから40代くらいか。顔全体が映っており、目には細い黒線が入れられている。笑顔と思われる。角刈りのように短く切った頭髪。吊り上った短い眉毛。アゴの輪郭はややごつごつしている。マスクをアゴにかけている。アカウント名「タケシ君」と何らかの関係があるのか、これが「タケシ君」なのか、不明。)
・不可解な文章(後述。)
・ご連絡先は以下のとおり ご協力に偉大なる感謝を提供致します あなたの御多幸を衷心よりおいのりみ捧げいたします (と三段に分けて書かれている。これも冒頭の「この人 探しています」のように、背景は灰色に塗りつぶされている。他の字よりもやや大きいが、冒頭ほどではない。なんだか呪術めいた文章で、不気味である。「感謝を提供」だの「ご多幸をおいのりみ捧げる」だの怪しい日本語が見受けられるところが、東南アジア製の安シャンプーの注意書きのようで愛嬌と思えなくもない。)
・下向きの矢印が六個。その先に携帯電話と思われる番号 ●●●-●●●●―●●●● (「ご連絡先」として指定されている番号なのであろう。これは実在の誰かの番号なのだろうか?デタラメに並べられた数字か?わからないので全て黒で表した。念のため。ちなみに先頭の番号には横線が入れられていてカムフラージュのつもりなのかもしれないが、全く無意味。大体電話番号なんてあの数字以外の数字から始まることがあるのだろうか。)
・中央労働組合善行監督所 本部:小平市 (この組織は調べた限りでは存在しない。「善行監督所」なんてジョージーオーウェルの世界みたいである。ただ適当に書いただけだろう。)
・赤で書かれた三つの謎の文字 (この部分は手書きに見える。ただし読めない。いや、悪筆で読めないのではなく、見たことのない字なのだ。多分パソコンで変換も出来ない。弓偏に「可」に似た字が二個重なった字体だ。読めないのも当然で、手元の分厚い漢字字典で調べると、この字は「音義未詳」と出てくる。つまり読み方も意味もわからない文字らしい。そんなことがあるのだろうか。そしてなぜこの字がポスターの末尾に手書きで三つ並べられているのか、全くわからない。ポスターの作者は白川静やケンボー先生を尻目に独自にこの字の意味を見出したのか、ただこういう字があることを知って面白く思い、ポスターに特殊な意味づけらしいものを施そうと思って書いただけか、はたして。)
以上でポスターを構成する要素は全てだ。しかしまだ筆者はポスターの全てを紹介し終わっていない。それは男性の三枚並んだ顔写真の下に書かれた奇妙な文章だ。紙幅の都合があるので、今は本文を以下に転写するだけとしよう。もっとも現物の本文は、文字ごとにフォントが変わっていたり、ところどころ読み仮名や囲いが施されていたりするのだが、純粋に本文だけを取り上げたい。要は漢文で言うならば、レ点や一二点(懐かしい)を置かれていない「白文」の状態である。
演繹テロリスト(注1)、それは星も食べない夜。のにわか雨庭カゲロウ。まだましだった割られたショーウィンドウ(注2)に、割られた中欧の茄子。女子18歳特筆すべき悪筆にて、未生。失踪の美学、さすもなあ(注3)、やさじり、そんな黄昏の陰謀論に。天と地の氷魚に告げられた、暗鬱の支柱師、死、中止。かつてない、煮え滾る火の輪。颯爽と轢死。或いは溺死(注4)。和合アールマルディ。夜の
(つづく)
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