みんながみんなのことを好きで、

佐伯 安奈

1. 三枝和子『都市 その昏い部分』(1972年6月)「T市・雪による終焉」より


 ロビィの隣は喫茶・食堂で、入口に大きな硝子ケースが置いてあり、値段を明示した模型の食品が陳列されてある。ロビィの立派な椅子と、食品の陳列ケースの取り合せがアンバランスなのに彼が目を留めていると・・・生ぬるい珈琲が運ばれて来た。彼はロビィで待たされていた。ロビィといっても廊下の突きあたりに椅子とテーブルを並べただけの、側には食品模型の陳列棚もあるような、いわば殺風景な待合室で・・・。

(255ページ~259ページ)

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