【第五話】「一番星、見つけた」

 週末の土曜日。


 僕は深海を連れて、少し遠くのプラネタリウムに足を運んだ。いや、実際に動かしたのはバイクなんだけど。


 深海は、「なんでプラネタリウム……」と少しぶーたれていたが、併設の星乃珈琲店でデザートを奢る約束を取り付けるや否や、瞬く間に元気を取り戻した。


 プラネタリウムは壮大だった。実は僕は小さい頃家族でよく来ていたのだが、深海はそうではないらしく終始はしゃいでいた。空いている時間帯というのもあって館内には僕達以外に客がいなかったからだろう、スタッフも何も言わなかった。


 薄明かりに照らされた優姫は驚くほど綺麗で、一人星も見ずに恍惚としていたのは内緒だ。


 その暗がりを利用して少しいちゃついたりもしたけど、これくらいなら許されよう。


 なにせ、僕達は付き合っているのだから。

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