卵の妖精

ようせーさん

プロローグ

ここはどこなのだろうか。

なぜ何かに閉じ込められているのだろうか。

誘拐でもされたのだろうか。

それとも私は死んでしまっていてここは天国と地獄のどちらかなのか。


私はいつも通り会社に行って上司に叱られて

残業して終電まで残って、また寝る。

そんな日々を繰り返しながら生きてるのか死んでるのか

わからないような生活をする一般市民だったはずだ。

少なくとも狙って誘拐する魅力もこのおじさんfaceではないし

人質にもできるような価値のあるおじさんではなかった気がする。

金銭もあまり持っていなかった。

やはり誘拐の線はないと考える

どうしてこうなったのだろうか。


いつも通り朝早くから起きようとしたら

いつも見慣れた私の部屋とは全く違う。

とても暗い場所で起きた。

どこかに閉じ込められているようで

何も見えないし聞こえない。それも相まって

真っ暗で少し寂しいような気がしてしまう。

そんな少し窮屈で息苦しいような場所に閉じ込められていた。

しかもちょっと空気が澱んだような匂いがしていい気にはなれない。



   結局‥ここは‥どこなのだろうか?



試しに目の前の空間を手を伸ばして優しく叩いてみれば

コツコツとした感触とともに

何かが少し割れていくような気がした。

どうやら私に肉体はあるらしい。

少なくともここは死後の世界ではないことを確認できた。

少し安心することができた。

ただいつもの体と違うような違和感がすこしだけあった。

いや、私が気づいていないだけで結構違和感があるのかも知れない。

とりあえず何か割れるものに閉じ込められているようなので

本気の力を出して壁を蹴破り、叩き破ってみる。

何回か叩いてここから出ようと叩いたそのとき、

目の前にある大きな壁は、暗闇と共に私の前から

大きな音を立てながら崩れ去った。

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