少年の壁
ゆず。
第1話
小さな田舎の村にある少年がいた。
少年は、全てを持っていた。、、いや、そのように見えた。
地主の息子で、優しい両親に恵まれ、美しく、頭脳明晰でスポーツ万能という誰もが憧れる存在であった。
しかし、彼には悩みがあった。それは、本心で語り合える友人がいないことだ。
彼は、村中の人々から注目されすぎた。もちろんそれは、彼の才能を讃えるものだが、幼い彼が抱えるには重すぎるプレッシャーであった。
そして、彼は常に綺麗でいることを心がけた。不平不満愚痴泣き言を彼の口から聞いたことのあるものはいない。両親でさえも。それが、彼の評価をさらに高め、心の負担は重くなっていった。
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