萌えよジャクダン! 〜 弱小男子の恋活ストーリー
悠真
…
四十代男子の
「あちゃー!」という掛け声とともに、バッタバッタと敵をなぎ倒す。
俺も、子どものころはいつかあんなふうになりたかったのに、と独りごちながらよく冷えたチューハイの缶を空けた。
多良さんは、ブラック企業あるある、暴言マシンガン上司、勤務時間ガッツリ稼ぎがショボショボで日々ヌルヌル生きているサラリーマン兼未婚者。
いつも仕事から帰ると、まずは熱いシャワーで一日の汗を流し、帰り路で買ってきたコンビニ弁当を食らい、扇風機と安酒で気を紛らわせながら、YouTubeで毎晩数時間の時間を溶かしてしまう。
そんな独身街道まっしぐら男である。
結婚はしたいらしいが、独身女性との出会いどころか、それ以前に時間も金もないらしく、一旦仲間入りした負け組からなかなか抜け出せないと、時々SNSでぼやいてばかりいた。
たまに見知らぬ相手からいきなり賛同されて、その代わり"女さん苦手"仲間と見なされたのか、女性といるとめんどくさいから一人がいい、と話を合わせるためにそう言わされたりしていた。
でも、自分の運命の人がこの先どこかで待っているかもしれない、という”乙女”な願望も隠し持っている。
僕は、なぜかそんな彼の守護霊に選任された。
多良さんの内面に渦巻くさまざまな欲や葛藤、自堕落さに半年ほど付き合って、さすがにうんざりしてきたけど、それは彼自身も自分にたいしてそうらしい。
自覚しているだけ救いはあるかもしれないが、そこで立ち止まっているだけなら、あえていおう、カスであると!
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