SIDE 国王&第1話

そもそも前の帝王は友好的だった。なのに、今の帝王になった途端戦争をふっかけられた。理由は簡単。今の帝王が好戦的だからだ。それからだ。東にある異民族が侵略してきたり、魔物の暴走スタンピードを起こしたり。完全に帝国がなにか仕掛けてきているとしか思えない。あぁーもう帝国の事考えてたらだんだん胃が痛くなってきた。なんでここまで帝国は厄介事を持ち込むかな。ストレスしかたまらんやん。

おい、誰かが勝手に部屋に入ってきている。ったく騎士たちはなにしてるんだっ…

おい、誰だお前ら、うっ。

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なぜか朝から城の中が騒がしい。近くにいた護衛の兵士に聞いてみる。

「おい、なんかあったの?、朝なのにうるさいんだけど。」

「それが、王様が亡くなられてまして…」

「え、父上が?あの?いやおかしいでしょう、帝国の軍をたったの12人で撃破したのに?誰にやられたのかわかってるの?。」

私が無言の圧をかける。

「そんなに睨まないでください。質問の答えとしては”見当がついた”です」

「じゃあ帝国の可能性があるということで、間違ってないですよね」

はぁ、うんざりする、そもそも帝国の目的は何というのか。

そもそも前提が間違っているとか、はぁ、もう何もかもめんどくさい。

兵士が言う。

「いや、そういうわけじゃなくて、人間の仕業ではないということです。」

「じゃあどこだって言うですか?」

私は食い気味で答える。

「もうわかりましたから、ちょっとそんなに睨まないでくださいよ」

その後、兵士から説明を受けた。要約すると、この国から、北西に20キロほど行ったところに、魔族領があるらしい。ちなみに数日前に魔族がこの国に入った痕跡があるとか。そして殺し方が魔族独特の殺し方だったらしい。

えぇーそれだけじゃ魔族とは判断しきれないよねー。

兵士は続ける。

「で、王宮の近くに落ちてたのが、この杖です。」

見せられたのは、よく漫画とか出てくる杖だった。その杖がなんの証拠になるのか不思議でたまらない。

「この杖は魔族領でしか生産することができずにそのまま・・・」

説明が長いので省略すると、この杖は、対人間用に作られた魔法杖マジックスティックであって、人間が作ろうとしたこともあるそうだが、生産途中に、人間を一人犠牲にしなければいけない工程が出てくるとか。で人間を殺さなきゃいけないから、人間領だと殺人罪に問われる。でも魔族領だった場合、人間はいくら殺しても良いらしく、だから、魔族領でしか生産できないらしい。兵士が説明したら、専門用語が多すぎて、頭が狂うって。んで持ってその杖は国際法で禁止されてるらしい。でも魔族は言うことを聞いてくれない。はぁ。これからこの国はどうなることやら。

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