人生で一番輝いた日
NARU
第1話 プロローグ
全国高等学校選抜卓球大会、通称「高校選抜」
その決勝に芹沢隼人は関東ブロック東英高校の代表として立っていた。
「ふぅー」と深く息を吐く、これを取れば俺たちは勝てる。
だからだろうか、ボールを持つ手が震えている。周りの応援がうるさく感じてしまう。静かにしてくれ、集中させてくれと普段なら聞いていてむしろうれしく感じるものが今は雑音にしか聞こえない。俺の頭の中には悪いイメージしか出てこない。そんな時だった。「隼人、頑張れー!」大勢の応援が聞こえてくる中で、女子にしては低いけど聞いていて安心する声。幼馴染である宮原柚葉の声が聞こえる。その声を聴いた途端、頭の中にあるわだかまりが全て取れたような気がした。そうだ、何も考えなくていい。いつも通り、練習通りにやればいいんだ。そして俺はもう一度深呼吸をしてサーブを打った。
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