痴漢してきた彼女に堕ちた私はおかしいですか?

木場篤彦

第1話痴漢をしてきた相手は

 私は既に電車内が通学通勤ラッシュで身動きのとれない密集している中で押し潰されまいと吊り革をどうにか握れている状態だ。

 中年のサラリーマンの加齢臭や女子高生らがふった香水、制汗剤等の色んな匂いが混ざり合って、鼻がどうにかなりそうでもあった。

 四方八方から電車が揺れる度に近くの乗客に押されて、呼吸が苦しい。

 そんな過酷な状態で神経が衰弱している私は、ふとお尻に触られた感触がして下に顔を向けようとしたが、身動きのとれない車内で阻まれ、思うようにいかない。

 そうこうしている内にお尻を触る手が執拗に撫でていき、スカートの上にいた手がスカート内に入ってくる。

「ひぃっ……やぁ——」

 悲鳴をあげ、抵抗をしようと試みるも、怖くて中々上手く痴漢をしてくる相手の手を掴むことが出来ず、身体を震わすことしか出来ない。

 脚を閉じようとするが、相手のショーツ越しにお尻を撫でてくる感触に恐怖心が勝り、脚に力が入らない。

「我慢せずに喘いでよ、可愛いコーコーセイさんっ」

 私の左耳に女性の色気のある声音で生温かい吐息と共に囁かれた言葉にビクっと身体が震えた。

 脚と脚の間のショーツの上に指が這い、敏感に感じるワレメを探し、指先で弄り出した相手の指だった。

 通学鞄を持つ手は離せないので、吊り革を握っていた手で痴漢をしてきた相手の行為を阻もうとお尻の方のスカートを押さえる私。

 執拗に痴漢をしている相手の指先がワレメを弄るので濡れだし、ショーツが濡れていく。

 必死に喘ぎ声を堪えようとする私に、痴漢をしている相手が左耳に囁いてきた。

「コーコーセイさん、感じちゃってるのもう?痴漢されて感じてるなんて、変態さんね貴女……イイのよ、感じるままに可愛く喘いじゃって」

「かぁ……んっはぁ……んんっ!感じてぇ……あぁんっ、はぁはぁ……なんかぁ……へんたっ……んはぁ〜ああぁぁ、いなん、かじゃ……んんはぁ〜あんっっ!」

「素直になりなさいよ、貴女。ほぉ〜らぁ〜もう絶頂きそうじゃあぁないっ!挿れちゃうわよ、指を——」

 私はワレメを広げられ、痴漢している卑劣な女性の指が膣内に挿れられて、近くの乗客に気付かれるくらいの喘ぎ声を漏らし、正気を保てなくなった。

 痛みと恐怖と感じてはならない快感が全身を襲い、脳が麻痺していく。

 眼から涙がぼろぼろと流れ、頬を伝う。

「なぁ……うゔぅぅっ……はぁはぁ、なぁんっ、でぇ……わぁっ、私ぃがぁぁ……」

 私ははしたなく痴漢してきた女性に好き放題にされたワレメから溢れた体液が太腿の内側を伝うのを感じながら、独り言のような声量で嘆く。

「貴女が可愛いからよ。次の駅で一緒に降りましょ。ズル休みって、なんだかイイわよね」

 左耳に囁かれた痴漢をしている女性の言葉が虚しく、耳朶を響いていた。

 私は自身の四肢に冷たく体温を奪っていく鉄の枷を嵌められ、太くて断ち切れない頑丈な鎖が繋がられた感覚が脳内に染み渡っていくのに恐怖して、痴漢してきた女性に身体を凭れさした。


 痴漢してきた女性が言った通りに、私は彼女に電車が停車した駅で降ろされ、トイレに連れ込まれた。


 高級なブランドのハンドバッグから痴漢してきた女性が取り出したのは、大人な玩具で、彼女が愉しみ終えるまで、何度も絶頂かされた。


 私を痴漢したのは、人妻だった。


 ラブホにも連れて行かれ、あらゆることをされ、帰宅する頃には疲弊しきっていた私だった。


 男性に痴漢されなくて良かったとはならず、ただただ悪夢を見ていたような一日だった。


 児島瑠美はこの日以降、悪夢の生活を送るようになっていく。


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