『お前よりも好きな娘がいる』と婚約を破棄させられた令嬢は、最強の魔法使いだった～捨てた王子と解放した令嬢の結末～

第21話 試験結果と未来への展望

　学園の定期試験を受け、その結果が出た。実力を明かすことを決めた私は、今回の試験を全力で挑んだ。そして、とても優秀な成績で学園のトップに躍り出ることができた。特に実践の試験では、先生が感嘆のため息をもらすほどの出来栄えだったみたい。

　私の名前は、学園歴代の最高得点者リストに堂々と刻まれることになった。その中でも一番に優秀な生徒として。

　師匠に鍛えられたおかげだ。真剣に挑んで、ちゃんと結果を出せて安心した。

　私が指導した友人たちも頑張ってくれたようで、彼女たち全員の成績も軒並みアップしていた。

「エレノア様、私、初めて魔法理論で９０点超えたのよッ！」

「凄い、おめでとう！　その調子で今後も頑張りましょう」

「エレノア様との特訓が効果バツグンだったわ。次は、９５点目指すわよ」

「私も負けてられないわ。エレノア様についていけるよう、もっと頑張らなきゃ」

　試験の結果を手にした彼女たちの目は、喜びと意欲に輝いていた。そんな彼女たちの反応を見て、私も思わずニッコリ。友人たちの成長が、何よりも嬉しかった。

　もしかしたら私には、先生としての才能があるのかもしれないと思った。

　婚約相手が居なくなった私は、将来について考えないといけない。これから新しい婚約相手を探すのは大変だと思う。それについては家族に任せているけど、そういう人と出会えるかは、運次第。特に私は、この年齢になって婚約を破棄されてしまったから。色々と条件が厳しい。

　新しい婚約相手、か。

　一瞬、エドガー様の顔が脳裏に浮かんだ。優しくて頼りがいがあって、いつも私の味方でいてくれる人。彼には特定の婚約相手が決まっていない。何人か候補がいるけれども、すべて断っているらしい。権力に関わらないようにする、政治的な判断だと思う。

　だけど、私にはもったいない人。それに、相手が原因だけどアルフレッド王子との婚約がダメになってしまった私は、残念ながら候補に選ばれることはない。

　なので私は、結婚を望む相手が現れるまで待ち続ける。

　この先ずっと相手が決まらなかったら、学園の先生でも目指してみようかな。そこで、王国とアークライト家に貢献できる働きをすればいい。次世代で活躍する人材を育てて、貢献する。

　もしくは、この前誘われた師匠と一緒に旅へ行くのも良いかもしれない。結婚する相手が決まらなければ、しばらく王国を出ても問題ないと思う。世界各地を巡って、魔法技術を研究して、学んだ知識を王国に持ち帰る。そうすれば、王国の魔法技術の発展に貢献できるかもしれない。

　そんな未来に思いを馳せた。