さらさらと流れ落ちていく
ななゆき
1 アイスキャンディ
「いつか溶けてなくなるんですよ」
ぶどうのアイスキャンディを舐めながら君が言う。
夜の海は何も見えないけど、足元から迫る波の音で、広大な海へと思いを馳せる。
「もう、消えちゃおっか」
そう聞くと、君は首を横に振った。
「まだ、先輩と一緒にいたいので」
ぱきり、と君が噛んだアイスが音を立てる。
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