クラスメイトの美少女が交換日記をしようと迫ってきます
秋犬
その1 ︎︎日記の始まり
「
机に突っ伏していた俺は、目の前の光景にビビった。クラスで一番の美少女の
「え、あ、うん、そう、僕だけど」
くそ、あまりの有り得なさにどもってしまった。もっと滑舌の練習とかしてればよかった。
「よかったら、私と交換日記しない?」
はああああ!?
待て待て待て待て。
何で俺がマキアさんと交換日記をしなくちゃいけないんだ!?
その前に、今どき交換日記って何だ!?
連絡先交換しよう、とかSNSのアカウント教えて、とかじゃないのか!?
つか、何で俺なん!?
「えっと、何で、その……」
俺はマキアさんを見上げる。サラサラの長い髪、ふわふわのほっぺはほんのりピンクで食べたら美味しそう……いや、触っても気持ちよさそう。なんなら少しいい匂いがする。
「槙野くんにしか、頼めないの!」
うわ、めっちゃ可愛い声じゃん。鈴が転がって逃げ出すほどの可愛さ。俺のキュンキュンメーターがぶっ壊れる。
いや、ぶっ壊れている場合じゃない。何で彼女は「俺と」「交換日記を」しようとしているんだ?
「いや、何で俺なの? ︎︎他の友達とやったほうが楽しいでしょ」
そもそも俺はこの中学に転校してきたばっかりで、あんまりクラスに馴染めていない。中三の途中から馴染めっていうのも、ちょっとしんどい。それに数学の授業もよくわからなかったから爆睡していたところで、カッコ良さは1ミリもない。もちろんイケメンとか歌が上手いとか、そういうこともない。
「だって、槙野くん……字、上手だから」
そこなの!?
「はい、じゃあこれ交換日記ね。かわいいでしょ?」
マキアさんが手渡してきたのは、女の子とかが使うようなキャラクターがたくさん描かれたノートだった。
「それじゃあ、明日ね」
明日!?
明日までにこのファンシーなノート埋めろってか!?
うーん、参ったな……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます