第2話最強の成長し、世界へ旅立つ

その後、赤ん坊はすくすくと成長し、17歳へと至った。


(ここは楽しいな。尽きない食料、大切な友や家族、永遠の平穏…。だが、今の俺はこんな生活に勝る刺激が欲しい……そういえば俺が誕生して17年も経ったんだったよな、じゃあそろそろ…ここから旅立つか…)


数十kmはあるであろう森林の中心部にある大樹のふもとで右目に眼帯をしている一人の青年が横たわり、古代生物や精霊とともにゴロゴロしていたとき



青年の後ろで老人の声が聞こえた。その声に少年は横たわったまま答えた。


「どうしたのじいちゃん?」


「お前もよい年になったと思ってな……がトラウマになっていなければ旅立ってもいいと思ってな」


「うん、俺もそう思っt「ダメです!」うおっ!」


青年と老人の話の途中に羽が生えた小さな女の子が入ってきた。

彼女の名はモニア、大地の妖精(結構くらいが高いらしい)であり、ムンクが赤ん坊の頃から頂点じいちゃんと一緒に主に面倒を見てくれた。みまだに孫離れ(?)が出来ていない


「ムンクはまだたったの17歳だよ!こんな可愛い子が世界に旅立つなんて……早すぎるよ!せめてあと数百万年ほど置いておかないと…」


「婆ちゃん!俺の生命いのちは数十年経てば尽きるほどに儚いんだよ?それに俺は様々な世界をみたいよ」


(数百万年も旅立たせてくれなかったら、いったいいつ別世界の景色を見ればいいんだよ…)


「うっ…で、でも〜…」


「いいじゃないか。ムンクはこの世界を旅立って、いろんな世界を見て、生涯を全うするんだ。それがムンクも望んでいる生命さ」


「でも!ムンクはまだか弱いのよ!」


そう俺たちが会話しているときに、空間が黒に侵食され、侵食された部分から謎の生命体が現れた。

この生命たちは。様々な次元や世界からを吸い取り、終末を迎えさせる凶悪な魔のモノ


「ヴゥ”ゥゥ”ゥガァ”ァ”ァ”ァ゙」


「ん?あらやだ魔者じゃない。…………ムンク」


「どしたの婆ちゃん?」


「アレを倒すことが出来たら旅立つ件。了承してあげる」


(ラッキー!そんなことでいいのか!)


「うん!わかったよ!」


そうして俺は魔者ヤツの目の前にたち、構えた。魔者は俺に警戒するように身体を構え、戦闘態勢をとってきた


「いざ、参る!」


「大丈夫かしら…」


「誰が育てたと思っとる?わしたちじゃぞ」


「それもそうね」





その瞬間、両者がぶつかりあった。その衝撃は爆発なんてものの比ではなく、マントルすらも破壊するほどに強力な衝撃波だった



「あの子ったら、あそこまで強くなってたのね」


「みたいだな。だけど、今回の魔者はどうやらアイツにとってもまだ早すぎたようだ」


突風によって煙が晴れたとき、そこには腕を一本落とした魔者と全身に切り傷が付いたムンクが立っていた


「あぁ…やっぱり旅立たせるのはまだ早いんじゃない?きっとそうよ。だから、この地球でゆっくり過ごさせてあげましょうよ」


「いや、あの子は今は刺激を求めてる。ここにいても求められる刺激は少ない。だからこそ、送り出してあげるんだ。アドバイス程度はしておいてやるか…」


頂点じいちゃんはそう言うと、叫ぶように


『ムンクゥゥ!そいつの弱点は頭部の中心に位置する核だ!そこを貫けぇ!』


「わかった!頭部だね。今から……消し飛ばす!」


ムンクがそう言うとムンクの身体に白い光が纏わり始めた。ムンクはその光を人差し指に集め、人差し指を針のように使い、魔者の頭部を貫いた。




虹無こうむはく!指先一点集中!刺苦八しくはち!」


「ギィ?…ギィ”ィイ”イ”ア”ァ”ァ”ァ」


核を潰された魔者は身体が貫通した穴に吸い込まれ、この世から消え去った


「ハァハァ…婆ちゃん、これでいい?」


「いいよ!もちろんいいよ!でも、その前に怪我を治してあげるからちょっと待っててね」


そういいモニアは大樹の中へと入っていった。その後すぐに、じいちゃんが話しかけてきた。


「良い出来だ」


「ありがとうじいちゃん」


(じいちゃんが褒めてくれるなんて珍しいな、今回の魔者はそんなに強力だったのか?)


俺がそう思うと同時にじいちゃんがヤツに対して説明を始めた


「あの魔者はちょっとばかし名をせていてな。わしがそろそろ始末しようかと悩んでいたところだったんじゃ」


(そうなのか。てことはやはり強かったのか…でもねじいちゃん、俺それ以上に気になることがあるんだ)


「じいちゃんってなんか語尾安定しないよね」


「そこには触れるな…メタくなっちゃうから」


(その発言が既にメタいけどね)


「ん、ん"ン"、ま、これからいろんな世界を見ると思う。だから、こそ学んでこい!全ての世界を!」


(急に話逸らしたな…でも)


「当たり前じゃねぇか、俺の進む道があとから続く全てのものの道となるように。切り開いてくるよ」


「あぁそれでいい。だけどな、絶対に手を出してはいけないとされる禁断の世界を教えておく」


「?じいちゃんでもそんなに危険視している世界なんてあるのか?」


そういうとじいちゃんは手短に話を始めた


「いくつかあるが少なくともこの3つはだめだ。まず1つ目は『原初世界始まりの世界』だ。その世界にいる全ての存在が原初、つまり、始まりの存在でな。全員が力を封印しているが、彼らの王、もといその王直々に想像されたつくられた存在は桁違いだ。

2つ目の世界は『虚数世界存在しない世界』。この世界は俺たちのいる現実をとされる最高神アザトースたちがいる。それも本物だ。まぁ外なる神に匹敵、もしくはそれ以上にやばいとされる奴らが複数いるとされている。

3つ目は『終焉世界終わりの世界』。この世界は最高神アザトース(本体)や最高神ゼウス、その他全ての存在でさえ手を出さない完全なる禁断の領地だ。過去に未来の全ての創作物フィクションの力を使えるやつが己の数を∞にし、挑んだが、全員殺されたと聞く。無論、その世界も最高神アザトースの夢の中のはずなんだが、ヤツアザトースが目を覚ましても消えず、ヤツのいる虚数世界にもあったそうだ。

だから、この3つの世界にだけは絶対に行くな」


(なるほど、いくつかの世界がやばいということはわかった。だがな…)


「話が長い!もっと短くまとめて!主に15字以内」


3つの世界原初世界・虚数世界・終焉世界が特にヤバい」


「マジでまとめやがった…」





「まぁ、勘を頼りに、死なずに世界を旅しろってこった!」


「当たり前だ!」


「じゃ、元気でな」


「じいちゃんもな」


そう言うとムンクはこの星から消え去った









その20秒後


モニアが大樹から出てき、ムンクを探した後に頂点に聞いた


「あら、あの子は?」


「今行った」


「えぇぇぇぇ!?せっかく救急箱を見つけて、そのついでに送り出すためのクッキー焼いてきたのに!」


「タイミングが悪かったな!」


ガハハと笑う頂点を睨みつけるような眼差しで見た後、モニアは言った。


「じゃあ私とあなたと森にいる全ての生物で消費しましょうか」


「まて、お前どれぐらい作った?」


「この星の約62億倍分」


「作り過ぎじゃアホ!」


「ま、数ヶ月で消えるか?」


「いえ、数週間ね」


「はァ…ま、あの子はこれからたくさんの世界を渡り、たくさんの親睦を深めよう。だから、儂らはあの子の無事を祈っておこう」


「えぇ、そうね。またね、ムンク」


モニアの最後の一言は優しく吹く風によって、かき消されてしまった

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