「パパ、あんな程度の攻撃じゃ、日本政府は屁とも何とも思わないわ。あたしたちの目的は、単に日本政府を脅すことじゃなく、領土奪還よね?」

「わしは、なるべく平和的に解決したい。ピンポイントで我々の威力を知らしめて、連中の譲歩を引き出したい。あれはそのための方策なのじゃが」


 オトゥは、手を胸に当てると顎を引いた。自然と上目遣いになる。

「あたしね、何も核を撃てと言っているわけじゃないの」


 ヴォルフは思わず、苦虫を嚙み潰したような顔をした。

(ブリブリしながら、よくもまあ言えるな、そんな物騒なことを)

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