第2話 私の孤独を埋めてくれたもの
私はずっと、任務を遂行することだけを
考えてやってきた。
だが、最近思うのだ。
こんなに人を殺して良いのかと。
暗殺部隊を率いる上で1番揺らいではいけない想いが揺らいでしまった。
その原因を語っていこうと思う。
私は今まで孤独だった。
殺しだけをしてきた。
だが、ある日入ってきた新人があまりにも殺しに向いていなかったのだ。
ターゲットに対して情が湧き任務を遂行できない。そんな子だ、これでは忍としてやっていけるとは思えん。
何故本部はこの様な子を私の部隊へ入れたのか...。
ただの足手まといだ。邪魔でしかない。
そしてその子は私に言ったのだ
「今度殺しをする上での覚悟、そしてあなたの心境を教えてください」と。
まぁ色々話してはみた、
両親が隣町の者に殺されたこと、
復讐心から暗殺を始めたこと、
そこから覚悟ができたのだと。
心境など無かった。
思うものなどない。
だが、その日を境に
考えるようになってしまった。
その「心境」を。
なぜ私にはその心境がないのだろうと。
まぁ、ある程度想像がつく。
物心ついたぐらいに両親が殺され、
そこで心というものも一緒に殺されたのだろう。人を殺すという事に躊躇いがなくなったのではないかと。
そして、なぜあの子は暗殺部隊に入ったのか
なぜ私にそのような事を聞いてきたのか、
全く分からない。
それから2週間経ち、その子から
とある誘いを受けた。
一緒にご飯食べに行きませんか!と。
人との馴れ合いに慣れて無さすぎて、戸惑ったが、まぁ、このような休息も悪くないと思い承諾した。
こんな事が何度も続き、
いつしか、その子に私は好かれていた。
私は少しだけ心が温かくなった気がした。
忍だった私 @chabashira0216
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。忍だった私の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます