第13話 響きがカッコいい

「この本かい?大昔にあった古代文明のことが書かれている。当時はどういった生活をしていたのか、魔法はどのくらい発達していたのか。興味深いことがたくさん書かれている」


古代文明…なんかカッコいい!


「この本の著者はこう言っているんだ。古代文明は魔法が発達しておらず、他の高度な”何か”によって文明が発達したと」

「魔法以外?そんなのなくない?」


だってここは魔法が発達した世界だし。


「あるんだよ。違う大きさの歯車を合わせると、回る速度が変わる。原理は不明だけど、そういうものを試行錯誤して組み合わせて、今とは全く違う形で魔道具が作られたみたいだ。その技術は何十年も前からずっと試しても再現できない。動作があまりにも複雑なんだよ」


要するに機械みたいなものかな。

魔力を電気として使うのだろう。


知らんけど。


「君はどう思う?」

「そんなこと言われても…」


魔道具の仕組みが分からなければ、助言も何もできない。

あ、コンピューターの仕組みは知ってる。


「数字を保存して、その数字に応じて動きを変えたんじゃないかな?」

「え…?」

「動作に1から5の番号を付ける。そして魔力を流して、魔力に応じて数字を変えるんだよ」

「なるほど…しかし、魔力保有量が少ない人が使うと、多く量が必要な番号は使えないんじゃないのか」

「例えばさ、0と1の数字があるだろ」

「うん」

「0と1だけで10を言うとしたらどうなると思う?」

「ちょっと待って……100かな?」


あー、凡ミス。


「不正解!実はこれは引っ掛け問題だ。0が先頭に来た場合はどうなる?」

「あ、それだと010と10が同じ数字になってしまうな」

「うん」

「100ではない、ということかな?」

「そうだよ、」

「うーん……もしかして、10を0と1だけで表すなら1010、かな?」

「おー、正解。ではさっきの話に戻る。数字を付ける問題点は、魔力保有量が少ない人は使えないものがあるということだったな。だったら、魔力が流れているか、流れていないかなら、量は関係ないだろ?」

「しかし、それだと0と1しか…あっ!」


気付いたようだな。


「そう。魔力保有量ではなく、どこに魔力が流れるかによって、動きを変えられるようになる。2番目と4番目に魔力を流すだけで、10を表せる」


コンピューターは0と1、つまり電気が流れているか、流れていないかのみでを判断する。そして数字によって何をするかが変わる。


0なら0

1なら1

10なら1010

16なら10000

32なら100000

64なら1000000


「これを使えばいいんじゃないか?」

「――!これは世紀の大発見と言っても過言ではないかもしれない!すごいね君!」

「いや、俺はただ…」

「今すぐにも王家直属の魔道具開発チームに報告しようと思う!名前はどうする?」

「え、えー、じゃあ二進数で」

「ちなみに名前の意味は?」


急にマジトーンになった…二進数ってそんなに名前おかしいのか?


「普段は1から数えて、10になるだろ。あれは10ごとに位が増えるから、十進数と言うことにする。これは2ごとに位が増えるから二進む数と書いて二進数だ」

「名前の意味まであるのか。受験が終わったらすぐに報告するよ!」


二進法を開発した方々、すみません!ここでは俺が考えたことになってます!


帰られるかも分からない世界の偉い人に謝ったところで、ランドリックから質問が来た。


「君はすごいな。いつもはちょっとあんな感じだけど、時々意外な面も見せてくれる」

「あんな感じってどんな感じだよ」

「抜けてる?普通?暇っぽいとか?」


ひどくない?


「悪口だぞー」

「あはは、ごめん。でも、君の呑気さにはいつも羨ましく思っているんだ」

「それも悪口だろ」

「まあまあ、とりあえず君の二進法を報告するよ」

「オーケー。あ、そうだ」

「何?」






「俺は生まれ変わった人だ、と言ったらどう思う?」

「…そんなのあるわけがない、と言いたいところだけど、魂は循環するという説があるんだよね。僕は信じるよ。それで?」

「なんでもない。…おやすみ」

「ああ、また明日」







「生まれ変わり…かぁ。いつか転生のこと話さないとな」







――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



自分も二進法の数え方勘違いしてました!

小説書くとこういう知識が増えるみたいだ。


みんなも書いたら?

想像力が豊かになるので!

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