第12話 寮でゆったり
俺は腕を枕代わりにしてベッドに横になった
「さっき戦った相手は強かったなぁ」
思えばあの男の子は目線でフェイクをかけていたのかもしれない。
目なんか全く見てなかったので分からないのだが。
魔法の腕は確かだ。ある程度なら戦場でも戦えるくらい発動時間が短かった。
「そういえば、ランドリックはいつ戦うの?」
と、何処からか取り出した本を読んでいる王子に聞いた。
「うん?もう既に戦ったよ」
「あれ?いつ?」
「昨日の昼の試合で」
そのとき俺は何をしていたのか。
…そうだった、ジニア先輩と話していたんだった。
「お前があのときに提案した王都の…散歩?は図ったものだったのか!?」
散歩だったか食べ歩きだったか忘れたけど、そんなことより!
「試合…見れなかった…」
くっ、俺の今世の初めての友達の試合を見逃すとは…不覚!
「なんでそんなことを?」
「もし君と戦うことになったとき、切り札は隠さないとね」
「ならないと思うけど…」
「君…忘れているね。授業で生徒同士で戦うときがあるんだよ」
そんなことある訳が、あるね。
ってことは…。
「俺の試合、見に来た?」
「もちろん。戦いの切り札を見るためにね。でも、全く分からなかったよ。君は切り札を切らなかったから」
うわ、ランドリック…恐ろしい子!
ま、俺の権能さえ知られなければ対策されることもないので大丈夫だろう。
それはそうとして、俺はかなり頭の切れるやつを友達にしたのか。
喜ぶべきなのだろうけど、なんか複雑…。
ランドリックといると、俺の頭の悪さが目立ちそうだ。
もっと勉強しなければ。
しばらくして。
「次にやることってなんだっけ?」
「レベル測定だよ」
遂に来た、レベル測定。
「皆はだいたい何レベ?」
「レベ?…ああ、レベルのことか。入学者は全員がレベル1だよ。僕のレベル4はこの国でも両手で数えられる人数しかいない」
…なんでそんな
「なぜ学園に入学する必要があるかって?」
「心の声読むな」
「顔に出てるよ」
おっと、真顔をキープしないと。
「…それで、なぜその必要が?」
「それはね。王族は必ず通わなければならないからだ。例外があったという記録もあるけれど、ここ数十年は一切ないよ」
だろうな。予想通り、縛りがあったみたいだ。
「話を変えるけど、レベルを上げるのって魔物を倒す必要があるよな」
「そうだね」
「どのくらい倒せば上がるんだ?」
神は言った。レベルの概念があると。
ならばレベルアップもできるはずだ。
「レベル1から2になるには、ゴブリンあたりの魔物を千体ほど倒すだけ。たったそれだけで簡単にレベルを上げられ――」
「待った!」
「――るんだけど、何かあるのかい?」
レベルをたった1上げるだけでもそんなに倒す必要が…だからレベル1がほとんどなのか。
戦う専門ならレベル2は届くだろうけど…。
「その速度だと、レベル3になるには…」
「そう。ゴブリンを一万体ほど倒せば上がる。レベル1から3になるまでにゴブリンを一万千体ほど倒す必要があるんだ。実際にはゴブリンより強い魔物と戦うから、倒す魔物は三千体ほどで――」
「いやいや!そんなに倒せないだろ!」
「――たった一年で倒せる数なんだけど」
「そこまで難しいなら、レベル3は何人くらいなんだ?」
「近衛騎士団は全員がレベル3だ。騎士でも隊長格ならレベル3に到達する。だから人数はこの国で200人ほどいる」
ゲームより上がりにくくない?現実とはいえ。
でも、痛いのが嫌なのは共感できる。
前世で骨を折ったときは割と痛かった。動かないし、強引に動かせば痛い。
しばらく運動できなかったので、それで体力が大幅に落ちたのだ。
ちなみに落ちた体力は退院後五日目で完全復活した。それを聞いた同僚にバケモンだと言われたのは俺の記憶に深く刻まれている。
「「……」」
話題が切れた。
部屋が静寂に包まれた。
とても気まずい。
俺は話を続けるために、別の話題を振った。
「…ランドリック、お前が読んでる本、どんなやつ?」
表紙には『新発見!?古代文明の高度な技術は何?どうやって作られた?なぜ滅んだ?』と書かれていた。
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