スキルを封じる『アンチ』能力で異世界無双

@panddasan

第1章 転生

第1話 転生と『アンチ』能力

「「「「「ワァァァァァァァァァ!!!」」」」」


今、俺は金メダルを首に掛けていた。

柔道の世界大会で優勝したのだ。

しかし、俺は喜ばない。さらなる高みを目指すのだ。そう心に決めた。



     *   *



……ここは?



気が付くと、俺は真っ白な部屋の中で横になっていた。

起きて周りを見渡すと、頭に天使の輪っかが浮いてる人がいた。

成人したばかりの女性のような見た目で、その優しい笑顔を見ていると不思議と安心する。


「あなたは転生することになりました」


…は?


「あなたは私のミスにより死んでしまいました」


意味わからん。お前誰だよ。


「同じようなものです。あなた方が思っている通りの神ではありませんが」


心読んでる!?

あれ、そういえば俺、柔道の世界大会で優勝したあとの記憶が無い。その後どうなったんだ?


「…俺、本当に死んだのか?」

「はい、周りから見ると、突然肉塊になった、ってところですね」


マジか…トラウマ級だろ。周りの人どんまい。


「で、転生することになったとはどういうことだ」


流石に素直にハイと言えるはずがない。


「私が新しく世界を作ったとき、その余波を抑えきれずに偶然あなたに向けられたのです」


色々突っ込みどころが多いが、とりあえず聞きたいことを聞く。


「で、転生するってことは転生特典みたいなやつがあるんだろ?」

「ありません」


即答であった。おいおいマジかよ( ^_^ )。

神からもらった転生チートで人生イージーモードやりたかった。


「ただし、新しい世界でも生き抜けるように、能力を授けます。転生特典ではありません。あくまで『向こうの世界で生き抜くため』であり、それ以外の理由はありません」

「そうか…」

「新しい世界では魔法があります。また、スキルというもの。あなたは彼らに勝つ方法がないのです。彼らは容易く遠距離攻撃や回復魔法を使うのですから。そこであなたに授ける能力は『アンチ』です」


俺が転生する世界はゲームの世界かよっ!


「そのスキルはどういうことができる?」

「相手の魔法を阻止したり、スキルを完全に封じることができます。大会で優勝したあなたなら、それらを封じられた者に勝つのは容易でしょう。」


せっかくならもっとチートなスキルが欲しかった。


「これ以上の能力は授けられません。そういうルールなのです。これでも良い方ですよ。本当はもっと弱い能力を与えるべきなんです。以上で説明は終わりです。何か質問は?」

「俺の世界で意味する『異世界』との違いはあるのか?」

「ありません。あなたの世界で俗に言う異世界と同じです。あ、ちなみに向こうの世界ではレベルという概念があります。さすがに初期レベルを上げたり、最大レベルを上げたりはできませんが、レベルは与えられます。質問は以上ですか?」

「ああ、もう転生させてくれ。レベルの概念も付けてくれ」


ワクワクしてきたぜ!そこで何しようかな、貴族になる?英雄になる?それとも平和に過ごす?いや、ひたすら強くなる?


「わかりました。では」

「ちょっとまってくれ。この能力を使えば神も殺せるのか?」

「卓越した状況理解、臨機応変に対応する知能、神速超えの身体能力があれば」


ハードル高すぎだろ…。

でも逆に言えば神を殺せるってすごいことじゃん。


「OK。じゃあ本当に転生させてくれ」

「では、転生リバース



そして俺の意識は薄れていった……。

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2024年9月21日 00:00 毎週 土曜日 00:00

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