歌詞になりそうでならなさそう②

日々


 朝らしい雑踏に紛れて 今日もいつもの通りを進む

 この素晴らしき「普通」に思わず ため息がこぼれるのは

 ありもしない期待してしまうから


 いつも通りの教室 ななめの前の横の席

 周りより明るく見えるのは

 照明の真下だからだとか あたりまえの理由じゃないんだよな


 「好きだよ」なんて キザにすら思えるほどに

 笑ってるけど 本気なんだよ?

 気づいてほしいなんて言わないから…

 この想い せめて置いていかないで、待っていて


 この手綱すら握れない私を カーテンに揺れる青がからかってる


 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 


 夕焼けの中にただひとつ いつもはない色彩が目立つ

 この偶然の「非常」に思わず 頬が緩んでしまうのは

 ずっと、そっと、想像してたことだから


 歩き慣れた通学路 最後の曲がり角

 不意にいいなって思うのは

 見える残照が綺麗だからとか カッコつけてみても似合わないな


 「君」と呼ぶには傲慢だね

 「貴方」と呼ぶには遠すぎるよ

 それなら名前で呼べばって? それができたら好きにならないよ

 「恋」と言うには幼いね

 「愛」と言うには背伸びしちゃう

 友達以上恋人未満? ありきたりな枠に当てはめないで


 「好きだよ」なんて キザにすら思えるほどに

 笑わないでよ 本気なんだよ

 気づかないでいてって、我儘だよね…

 この想い きっと自分の台詞ことばにしてみせるから


 カーテンに透かした月の光が優しく髪を撫でている

 

 いつも通りのこの日々に誓う 私なりのファンファーレ

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